先日発足したnote大学、教育・子育て部。
9月の企画は以下の通り
①子育てや教育に関する「教育書」についてのレビュー。こんな内容だった、ここの部分が参考になった。というお話
②子どもにこれまで読ませた・これから読んで欲しい本のレビュー。どんな内容で、子どもたちにどういった点で勉強になるか(楽しめるか)というお話
企画を拝見した時、②。まず真っ先に浮かんだ作品から紹介させていただきます。
アラフィフ世代なら知っている(?)ミスター味っ子
若干時代錯誤がありますが、テレビアニメにもなったミスター味っ子。
先日も甥・姪にオススメしました。
「料理勝負」といえば、「炎の鉄人」か「ミスター味っ子」かという昭和終盤~平成前半でした。
今回に書くうえで、時代が違う事や漫画と現実の境界が失っている表現があります。そのうえで読んでいただければ幸いです。
教育上の魅力
ミスター味っ子、父を亡くした定食屋の息子、味吉陽一が主人公。中学生です。
そこに、日本の料理人を束ねる「味皇(あじおう)」が訪れ、かつ丼を通して運命的な出会いをします。
主人公とその母親が、様々な料理を通して、工夫を凝らして勝負していきます。
魅力①:主人公が毎回悩む。「ひらめく瞬間」がある
なにかと料理勝負に巻き込まれ、時には自ら勝負を挑むミスター味っ子。
その場ですぐ勝負にせず「一週間」程度の猶予が与えられます。
ここでお決まりのパターンには学ぶことが多いです。
主人公が課題の料理を目の前にしたとき、まずは相手の料理を分析します。
そしてそれを超える料理を考え出そうと試行錯誤、努力しますが毎回違う壁と対峙します。
多少天才的な感覚はあるものの、妖怪の血を引くわけでもなく、ポケットからモンスターを出すこともありません。普通のシングルマザーに育てられた中学生男子です。
考えてもなかなか答えが見つからない時、母親の一言やテレビの一コマ、友達や散歩の時にふと「ひらめき」というのがあります。
悩まない限り「ひらめき」は中々ない人間の脳。
ただ、ひらめきで終わりではないのがこの「ミスター味っ子」の魅力。
そこで満足せず、その思いつきやひらめきを形にしたのち、更に工夫を凝らす姿は、なかなかの職人です。
敵を知り己を知らば百戦危うからず
最近ではわからないことはネットで調べ、「答え」をすぐ得てしまう世の中。「創意工夫」と言った事柄が抜け落ちた感じがします。
魅力②:食育
料理勝負はほとんどが「メニュー」対決。それも身近な料理が多いです。
素材にこだわることもありますが、多くは「工夫」です。
マンガの中では「かつ丼」をはじめ、カレーや天丼、ハンバーグ、ピザ、お好み焼き等、子供が好きそうなメニューが並びます。
定食屋さんという事で、「○○産の××を使った」などというのはほとんどありません。スーパーに並んでいる食材がほとんどです。
そして、ほとんど食品の無駄を出さないように料理しているのも、子供たちに教えたい一つです。
美味しい料理をみんなで食べる姿勢も学ぶことができます。
魅力③:表現方法
ミスター味っ子と言えば、大げさなほどの表現。
最近のテレビでは「食レポ」という言葉があるものの「おいし~」しか言っていない、その食レポに対してツッコミを入れる芸人さんがお決まりパターン。
確かに「美味しい!」以外の口語表現、なかなか難しいのも事実。
言葉が多いと「軽薄」に感じられ、少ないと「どうなの?」という感覚に。
一口食べた時、「マンガ」の利点である表情や背景変化を加えられることで、感動の度合いが伝わってきます。
魅力④:相対評価
料理勝負である以上、優劣をつけなければなりません。
ミスター味っ子では、「どちらも美味しい」という職人技同士のぶつかり合い。どちらかが劣っている、というのではなく、どちらも素晴らしい上での評価。
審査員をどれだけ驚かせたか?という所に重点が置かれているように感じます。
優劣つけにくい所に敢えて「一般的な料理」で驚きができる工夫を凝らす。作者も大変だな~と思います。
学校の先生方も、図画工作等で賞を決める際、最後の2つで悩むというのはよく聞きます。このミスター味っ子での料理勝負同様、優れたものを比較する苦悩は良く描かれていると思います。
魅力⑤:時代背景
ミスター味っ子自体は昭和61年(1986年)から連載、アニメは平成元年まで放送されました。
幾つかのミスター味っ子で登場する工夫が、それ以前にもあったかもしれませんが、現在でも広く使われる工夫があります。
例えば、「生石灰に少量の水で発熱」は、駅弁等でひもを引っ張ると発熱や、お燗できる日本酒缶等で使われています。
また、ハンバーグ勝負で出てきた「焼いた石で再度温める」というのも、チェーン店でのハンバーグステーキで見かけます。
マンガでも使われている工夫が実際に目の前にあると、そのシステムや工夫が分かるようになります
音楽もYoutubeで聴けます。「ルネサンス~情熱」、ルネッサンスは髭男爵よりもこちらが先。髭男爵も「髭男」に押され、存在感が…時代の流れを感じます。
マンガのおススメ方法
コミックの置き場所
マンガなどは時代を映します。時代が違うと興味も半減。最近は友達同士での話題にもならないのが残念なところ。
課題図書の様に「読ませる」のではなく、図書館や我が家の様に「家にあるから読んでいいよ」という、自分で選ばせるスタンスが良いのではないでしょうか。
電子書籍で「流行ったマンガだよ」と言って見せるのも一つ。
小学高学年・中学生という年代
家庭科や少しずつ「料理」と言う家庭での手伝いができるのがこの時期。計画を立てて工夫し、失敗して学ぶことが多い成長過程です。
「食べる」という最低限必要な事を、今までは親が与えてくれたものをを、お金を出して買う・自分で作るという選択肢が生まれてきます。
自分で自分の食べたいものを作る、自分の家族の為に作るというのも「理想」ではありますが、学ぶことができるのではないでしょうか?
成長を楽しめる続編「ミスター味っ子Ⅱも」
ミスター味っ子は、成長せず、いくつもの勝負をしていきます。
主人公の一人息子「味吉陽太」の物語では、主人公が成長していきます。また、ミスター味っ子とは違ったストーリー展開。
こちらもオススメです。(私はこちらの方が好き)
まとめ
正解のない「子育て・教育」ですが、成長期の子供にオススメの「ミスター味っ子」を紹介しました。食にまつわる教育だけでなく、考え方や工夫などが学べるマンガとして秀逸な作品です。
相手を分析してから、自分の壁と対峙、そして工夫し作品を仕上げていきます。ありきたりな料理でありきたりの材料が課題なのも魅力。是非参考になさってください。
参考note記事
👩🍳👨🍳教育・子育て部の企画
よう先生🎈@小学校教諭さんの記事です。
👩🍳👨🍳アニメを見直しているaquapastelさんの記事。カレーやピザでこうなってしまう…一度食べてみたい、と思わせます
👩🍳👨🍳家庭環境を軸に考察しているYMDさんの記事。考えさせられます。
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