知る人ぞ知る
「下町の庖宰(包宰)」
についてです
はじめに
食べることは、私たちの生活に深く結びついた営みであり、その背後に様々な物語が隠れています。今回のブログでは、「庖宰(ほうさい)」という言葉の由来や歴史、そして意義に迫りながら、ある漫画の一風変わったエピソードを紹介します。
言葉の源は「韓非子」
まず初めに、「庖宰」の言葉の由来は中国の古典である「韓非子」からきています。この言葉は、食の準備や調理に携わる者を指し、時が経つにつれてその意味が広がりました。
歴史の舞台: 皇帝と優秀な人材
歴史を振り返れば、多くの皇帝や王が優秀な人材を求めてきました。しかし、優れすぎると冷遇され、時には命を落とすこともあったといいます。この厳しい現実に立ち向かったのが、伊尹という人物です。
伊尹の物語: 料理の力で心をつかむ
殷の時代、湯王に仕えようとした伊尹は、まず料理人として働くことを選びました。鍋と包丁、まな板を持参。彼は湯王に対して、優れた料理を通じて心をつかみました。料理の腕前で湯王を魅了し、話す中で湯王は伊尹の素晴らしさに気づくことになります。
料理をつかさどる人、また優れた料理人、特に包丁名人を庖宰(ほうさい)と呼ぶようになりました。あまり日常には使わないかもしれません。
因みに、韓非子、キングダムでも少し出てきます。彼の他の有名な言葉に「矛盾」「逆鱗」「市に虎あり」「株(くいぜ)を守る」等があります。
「下町の庖宰」の誕生: ここからフィクション(漫画)です
さて、ここから興味深いエピソードが繋がります。あるマンガに登場する若き料理人。後に「下町の庖宰」と呼ばれる主人公の彼は、マウントをとるのが大好きな凄腕料理人に料理勝負を挑まれます。
主人公の彼、挑まれた料理勝負で、ありきたりな定食を心を込めて提供し、勝利を収めます。しかし、彼はその凄腕料理人を馬鹿にせず、「お互いに腕を高めて成長しよう」と語りかけました。しかし、この凄腕料理人は今までとんとん拍子だった分、周囲から嘲笑されていると感じ料理を封印。
庖宰の奇跡: 下町での新たな始まり
残念ながら、この若き料理人も嫉妬の対象に。そして主人公が逃げるようにして開いた下町の定食屋まで続きます。彼は元働いていた料亭の一人娘と駆け落ち同然に下町へ。小さいながらも下町の人々に美味しい料理を提供し、「下町の庖宰」と呼ばれるようになりました。
この物語は、優れた料理の力と、お互いを尊重する姿勢が新たな始まりを生む奇跡を描いています。
ただ、幸せも長くは続かず。子供にも恵まれたものの、ある日、船に乗った主人公は行方不明に。残された妻と息子、そして包丁をはじめとする料理道具で、この定食やを切り盛りせざるを得ません。
その息子が中学生の時、ある老人が店を訪ねます。
その後、彼が日本の料理会を揺るがし、そしてその息子も…物語が始まります。
まとめ: 庖宰:言葉に潜む物語
「庖宰」は単なる言葉だけでなく、歴史や文化、そして奇跡的な物語が詰まった言葉です。伊尹や「下町の庖宰」のようなストーリーは、食の力が人々を結びつけ、新しい可能性を切り開くことを教えてくれます。ある一つの言葉「庖宰」の奥深さを知ることで、食事がもつ力や意味に新たな視点を得ることができるでしょう。
「聞く力」も必要ですが、「聞こうとする力」「伝えようとする工夫」が大事です。
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