ワクチン接種[自治体の叫び 対策チームの4か月]NHK SPを観た

雑記帳
彩流
彩流

国と現場の板挟みになっている自治体を中心とした珍しい目線の番組でした。

NHKスペシャル ワクチン接種 自治体の叫び

2021年6月26日NHKのBS1放送、「自治体の叫び、埼玉 対策チームの4ヶ月」を観ました。色々考えさせられる番組でした。

あらすじ

2021年2月からの埼玉県県庁のワクチン対策チーム32人、秋田さんを中心に番組は進められていきます。

冒頭では2月からの、ワクチン不足。対策チームを編成させられ、アラフィフの秋田さんがチーム長になって、奮闘しています。市町村と国との間を取り持っています。

当初は国から配られるワクチンが圧倒的に不足。何万人いる高齢者に対して数百も届くかどうか。

その後、ワクチンが大量に蔵ばれる状況に急展開するのと同時に、首相の「7月末までに、希望する高齢者に打ち終わる」という事を発表されます。

急な政策転換に、自治体の展開が対応を即座に変更。高齢者を優先するも、まだ医療関係者のワクチン接種も終わっていない。

自衛隊に知事が救援を頼むも、医師一人派遣できるかどうかとの返事。

県の集団接種会場設営も、この秋田さんのチームが担当することに。

国からは高齢者の年齢により段階的にワクチン整理券を配布するよう指示が出ますが、現場の工夫で、2回に分けて発送。

何とかめどがつきそうなところで、今度はオリンピック対応の警察官にも接種せよとの課題が来たところで番組終了。

率直な感想

ワクチン接種において、国と現場との板挟みになっている自治体の仕事という、普段のワイドショーやニュースでは語られない部分が観られる、とても見ごたえのある番組でした。

トップの一言で、今まで現場で構築できていた計画が白紙になり、現場から上がってくる計画に訂正を促す。大変な仕事だと思います。

番組で、首相は7月までにワクチンを終わらせること、接種する打ち手である医師の報酬を大幅に上げることを打開策にしています。それがさらに現場を混乱させることにつながります。

オリンピックの為に、ここまでさせられる現場とその関係者。大きな犠牲の上に立っていることがわかります。

この番組から見えてくる問題点

オリンピックが終わってしまったり、コロナが落ち着いてしまったら観る人が少なくなってしまう番組と思います。なので、タイムリーな番組放送。この番組から見えてくることを少し並べてみます。

国の根拠のない計画変更

国としては、材料があれば鶴の一声で物事進められるように思っているのでしょう。

ワクチン接種は輸送、ワクチンを打つ人員、場所などが求められます。早い段階から自治体では計画を練っていたところで、変更を余儀なくされます。

重なったのは「私や妻が値引きに関連したら首相どころか議員も辞めます」と言った、前首相。その声で赤木さんの尊い命が犠牲になった文書捏造事件。

今回は捏造ではありませんが、番組から秋田さんの疲れがうかがえます。

さらに、このブログを書いている時点では今度はワクチンが足りないのでは?という情報も出ています。

余裕のない人員

県の対策室、ほぼ24時間体制に対して32人。それも、急に召集されたとのこと。彼らは前日まで他の仕事を持っており、急な配置転換とのこと。

少なくとも一部署に付き、一人くらいの余裕人員が必要と感じました。一人に職務が重なると、休みが取れず、正しい判断ができなくなります。また、人間ですので病気やケガをすることもあり、人員確保は急務と感じました。

一世代前の公務員「休まず 遅れず 働かず」のイメージからは程遠いです。ただ、番組で出てきた高齢女性の「どうせ役人仕事だから」との声は、働いている世代にとって、かなり痛いと思います。

優先順位

コロナワクチンの接種、この番組最後に「警察官に打っていない」とのこと。医療従事者へのワクチン優先は分かるのですが、警察官に接種していないのに、高齢者優先で。なんとなく国の姿勢(自民党支持率高い高齢者 選挙目当て?)と思ってしまう一幕。

現在感染を広げている20代30代、飲食店への強制的自粛(?)で、あまりで歩かない高齢者に電話とネットで。

現在の外で働かなくてはいけない世代が優先でもよいのでは?海外の「Essenntial worker」エッセンシャルワーカー優先を取り入れても良いと思いました。

普段からの対策

高齢者がネットを使えず、電話で予約したため、電話回線ダウンとのことはニュースでも放送されています。この番組でも取り上げていました。

少し考えればわかる事ですが、普段から防災意識やコロナ感染から一年以上たっている状況をみると、もう少しネットに慣れさせておく必要があったのでは?と思います。

例えばですが、回覧板や広報などは紙媒体を廃止か有料化して、ネット中心で見られるようにする。

年金番号をスマホに一致させておいて、ドコモショップなどからでも予約できるようにする。

もしくは、電話予約しなくても最初から「予約表」を配り、その日の都合が悪い人だけ予約を変更する電話をする等工夫できる余地があったと思います。

まとめ

今回はNHKスペシャルのコロナワクチン、自治体の叫びを観ました。現場と国との板挟みになっている県庁職員がテーマで、国の突然の方針転換やワクチン配布。そして現場との調整に困難などが伝わってきました。タイムリーな見ごたえのある番組です。再放送の際は観ていただくことをお勧めします。

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