
いまや誰でも「書き手」になれる時代になりました。
noteやKindleダイレクト・パブリッシング(KDP)を使えば、クリック数回で自分の文章を全世界に公開できてしまいます。昔だったら出版社に持ち込み、編集者に頭を下げ、何度も修正を繰り返して…という大変な道のりが必要でした。
それが、スマホ一台あれば“出版”できる。いやはや、便利になりましたよね。
便利になった分、もちろん良いこともたくさんあります。
でも同時に、「石ころ多すぎない?」と感じてしまう場面もあるのです。
Kindle Unlimitedでの出会いは宝探し
私は読書が大好きで、Kindle Unlimitedにも登録しています。月額で読み放題というのは、本好きにとって天国みたいな仕組みです。大手出版社ではなかなか出ないような、ニッチなエッセイや実用書、短編小説が並んでいて「こんなのがあるんだ!」とワクワクすることもしばしばです。
そしてたまに、思わぬ掘り出し物に出会うんです。
まだ無名の方が書いたエッセイが心に刺さったり、誰にも知られていない短編がものすごく良かったり。こういう瞬間、「誰でも出版できるってやっぱり素晴らしい!」と感じます。
ただし、逆もまた真なり。
「あれ、誤字脱字だらけ?」「内容がスカスカ?」「これ、どこかからコピーしてきたのでは……?」と首をかしげてしまう本に当たることも珍しくありません。Unlimitedは読み放題だからこそ、「時間を返して…」と思うこともあるわけです。宝探しにハズレがつきものなのは仕方ないのですが。
noteは“作品”より“商品”が目立つ?
noteもまた、誰でも発信できる場として人気ですよね。文章はもちろん、写真や音声、イラストまで投稿できますし、さらに収益化までできる。1本数百円から売れるのは大きな魅力です。
ただ、実際に人気記事を眺めてみると――どうしても「稼ぐ・副業・月◯万円!」系が目立ちます。
もちろん需要はあるのでしょう。でも純粋に「作品」と呼べるものは少なめ。
キャッチコピーで釣って、テンプレ的な文章構成で進めて、「最後に有料記事はこちら!」という流れ……これを“作品”と呼んでいいのか、ちょっと考えてしまいます。
いや、もちろん悪いとは言いません。役に立つ情報もあるでしょうし、売る工夫をするのも立派な才能です。
でも、読者としては「もっと面白い文章に出会いたいなあ」と思ってしまうんですよね。
読者に必要なのは“目利き力”
誰でも簡単に書ける時代になったことで、玉は確実に増えています。素晴らしい作品に出会える確率も上がりました。
ただ同時に、石もたくさん混ざっている。
読者としては、レビューを参考にしたり、冒頭を試し読みして「これはいける」と見極めたり、ちょっとした“目利き力”が必要になってきます。昔よりも選択が大事になっているんです。
一方、書き手の立場からすると、“出すだけ”ではもう埋もれてしまいます。
やっぱり質の高さや読者への誠実さがなければ、なかなか読んでもらえません。誰でも書ける時代だからこそ、「読まれる」ためのハードルはむしろ上がっているのかもしれません。
石もあるから宝が輝く
とはいえ、石ばかりを嘆くのも違う気がします。
宝探しって、外れがあるからこそ、当たりを見つけた時の喜びが倍増するものです。
「石に足をぶつけて痛っ!」となることもありますが、それも含めて読書の冒険なんじゃないかな、と。
投稿や出版のハードルが下がった現代は、まさに日常的に宝探しができる時代です。
石をどう避けるか、どう楽しむか。そこを工夫できれば、もっと豊かな読書ライフになるはずです。
まとめ
誰でも投稿・出版できるようになったことで、良い作品も増えましたが、同時に「ちょっとこれは…」という石ころも増えました。
読者には目利き力が必要になり、書き手には一段上の工夫が求められる時代です。
でも、石があるからこそ宝石が輝くのもまた事実。
みなさんはKindle Unlimitedやnoteで「石に当たった経験」や「掘り出し物の喜び」ってありますか?
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