韓国時代劇、いくつか見ていると共通点がわかってきます。
とくに役者の立場の変り様は面白いです
チャングムの誓いとイ・サン
日本のBSやCSで、幾度も再放送されている「チャングムの誓い」と「イ・サン」。
演出はイ・ビョンブン
どちらも韓国MBCのイ・ビョンフンさんが演出を手掛けています。
今回比較する2つのドラマ。チャングムの誓いは2003年、イ・サンは2007年の作品です。
その他にも「ホジュン宮廷医官への道」「トンイ」「馬医」「オクニョ」などを手掛けています。
歴史舞台 二つのドラマの差は約250年
お馴染みの時代劇。歴史考察は史実とはだいぶ異なっている、と言うのは仕方のない事。
チャングムの舞台となるのは皇帝10代目がスタートで11代の中宗がメイン。中宗皇帝が腸閉塞で亡くなるのが1544年。
もともとチャングムのストーリーも歴史文書の一行から拡大させたとのこと。
ドラマとして観るので、私自身はそれほど実際の史実に合わせなくても…と思います。水戸黄門もほとんど諸国漫遊していないし…。
実際の移動距離や年齢、衛生状態等を考えると、とても娯楽としてのドラマを見ることができません。
さてさて、イ・サンですが、こちらは22代。即位1776年~1800年。だいぶ近代ですね。
二つのドラマを連続して観てしまうと、約250年を飛び越えてしまいます。
脇役にお馴染みの役者 勢ぞろい
日本も韓国も、時代劇によく出る役者というのは発音や仕草等の関係で偏る傾向があります。脇役は更に細かい動き、作法が求められるので同じ役者の起用が多くなりがち。
日本で言うと、高橋元太郎さん(うっかり八兵衛、すっとびの辰三演)の様な役者さんが多く求められるのでしょう。
ハン・ジンミン(한지민)は主人公格なので、今回からは外しました。チャングムの同僚医官、イ・サンではヒロインを演じています。
以下はネタバレになってしまいます。
イ・ヒド 이희도
韓国時代劇と言えばこの人。渋いオジサンでおなじみの名わき役。
チャングムでは悪役。チェ一族の豪商。冷静な策士で、最後は連行中に…。
イ・サンではテス(イサンの幼馴染、後に武官)の叔父で商人。冒頭では元宮廷内侍ですが、後半はお笑い担当を担っています。
善悪両方を演じる役者。どちらかと言うとお笑い担当、若手を育てる役が多いです。
メン・サンフン 맹상훈
一歩引いて考える役がお似合いの貫禄のある役者
チャングムでは薬草園の責任者から流浪の医師、最後は王宮侍医に。
イ・サンでは側近を演じています。冒頭では尚洗(スパイのような仕事)です。
どちらの役も主人公の力になります。
キム・ヨジン 김여진
イ・ヒド同様、この人も善悪両方こなせる役者。それもかなり重要な位置です。
チャングムでは医学の師匠。癖の強い女医ですが、チャングムの才能を見抜き育てます。
イ・サンでは一見良い人ですが、策士で最後までイ・サンを苦しめます。
芸歴が長く、様々な役を演じている役者さん。
ソ・ボムシク 서범식
あまりピンとくる方は少ないと思いますが、年齢不詳の暗殺者を演じることが多いこの役者。
チャングムでは「ピルテゥ」役。暗殺者。チェ商会の依頼でチャングムの母を暗殺。その他にも長年にわたって暗殺する時に呼び出されます。
逆に、イ・サンでは主人公の護衛役。良い味を出しています。
暗殺者としての役が多いですが、なかなか良い立ち回りをしています。
イ・イプセ 이잎새
二つの作品、脇役でインパクトのある役者と言えば、イ・イプセさん。ともに意地悪な先輩を演じています。
チャングムでは女官。全体を通してチャングムの敵のように動きますが、首謀者ではなくパシリ。ちょっとかわいそうかな。
イ・サンでもヒロインの先輩茶母で最初は意地悪。その後テスに好意を持って露骨にアタックする姿はお笑い担当をしっかり担っています。
まとめ
役者を中心にしてドラマを見てみるのも面白いです。日本では幾度も再放送されている「チャングムの誓い」と「イ・サン」を比べてみました。他の韓国ドラマでも良く出演している名わき役。色々な視点から楽しめるので、ドラマ自体の味わいが増します。
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