だいぶ仕事にも慣れてきました。
引き続き頑張ります!
何を勉強すればいいでしょう?
どの業界も苦しい環境です。
ただ知識を身につけるだけではダメ。
誰に向かって仕事をしているかを意識しましょう。
厳しい業界で、コロナ・物流のダブルパンチの2021年
人生には3つの坂がある。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」。よく言われる言葉ですね。
2020年からのコロナ、それに加えて後発品の相次ぐ不足。薬局業界でもまさに「まさか」と言いざるを得ない状況でした。
薬局業界苦境の原因を探る
昭和就職組、平成大活躍の先生方は「薬局は儲かる」「資格を持っていれば安心」という環境でした。医薬分業で大変な苦労をされた先生方を尊敬しております。
薬剤師って給料良いんでしょ?と、今でも言われます。このブログを読んでいただいている方はもう知っているかもしれませんが、はっきり言えばただの薬剤師では平均年収500万円以下、最近では中途採用で年収320万という募集案件も出ています。
少しではありますが、苦境の薬局業界を見てみましょう。
年々削られる薬局の点数:真綿で首を締める
調剤薬局では処方箋を受け付ける際の調剤の基本の点数や加算が薬局の収入になります。これは国によって医療の全体から配分され、決められたものです。つまり「ルール」というもの。
この「ルール」を破ればルール違反となって、悪質な場合は営業停止などの行政処分となります。
「ルール」に従って調剤していけば、収入が得られる、というのが調剤薬局。
薬局として利益を上げるには、このルールに従った中で工夫が必要。
そしてこのルール変更は国の方針に強い影響を受けます。
例えば、後発品推進時や在宅推進時にはこれらに高い点数をつけます。それが当たり前になれば点数を引き下げます。苦労して身につけたスキルも「それが当たり前」となってしまいます。
また、一日の薬剤師1人あたり処方箋40枚まで、という不思議な縛りもあります。
コロナでリモート。今後も
この2年、コロナの環境と言うのが当たり前になってきました。
以前は電話だけの受診や薬だけの受診と言うのは禁止でしたが、今は点数がついています。つまり、国は認めているという事。
電話で受診、FAXで近所の薬局に処方箋、そして場合によって郵便で薬が届く。
今まで安泰と言われていた門前薬局も、はしごを外された状態になります。わざわざ混む薬局、患者さんの顔さえ見ない薬局薬剤師の所には行かないようになります。
さらに技術革新が進めば、FAX信者が引退するので、10年以内にこの業界も変わってくるでしょう。
物流の問題。薬が入荷されない
10~20年位前からジェネリック医薬品を国が推奨するようになってきました。むしろジェネリックを使わない場合はペナルティ(罰)を加えるほど。
さて、日本の医薬品というのは2年に一度(最近では1年に一度)薬価改定が行われ、多くの医薬品は値段が下げられます。
製薬会社、先発品の会社は値段が落ちないように「適用」と言うのを増やそうと努力。そしてジェネリックメーカーはいかに安く作るか?という事と、採算の合わない薬は切り捨てる。
如何に安く作るか?と言うところに企業が目をつける事。それは検査を省くこと。数年前の車の検査値改ざんも薬も同様の様です。
発端は薬の配合ミスでした。しかし、届け出た検査確認方法はとっておらず、他社も緊急検査。今回営業停止をうけ、それが伝播するように広がっていきました。
その結果は知っての通り、全体の薬が減ってしまい、普段利用している薬が入荷されないという状況になってしまいました。
質を下げずに値段を切り下げて…ができていると思っている国。
大げさに言えば、国は「命より経済をとった」事につながります。
新人薬剤師・登録販売者に望むこと
医療費ひっ迫とはいえ薬自体は全体の10%程。また、今まで書いたような問題は個人のレベルでは変更することができません。
折角来ていただいた方を満足させて帰す
料理マンガなどでよく「勝負」という、料理で優劣をつけるストーリーがあります。
料理職人として彼らの提供する作品に審査員は感動しつつ、その優劣を判定します。素材や調理工夫、提供する時間、審査員の嗜好までを考えつつ千変万化の作品。
薬剤師や登録販売者、一般従業員でこのような勝負を作るとしたら、どのような評価を考えるでしょうか?
薬局でいえば審査委員は「患者さんお客さん一人一人」。門前薬局でも嫌われてしまえば他の薬局に行く環境が整いつつあります。
薬に対する知識、正確な調剤は当たり前ですが、お客さんに対する知識・知恵も必要。
難しい言葉で説明を好む患者さんもいれば、忙しい患者さん、雑談したい患者さん、薬を飲む理由がわかっていない方々など様々。
状況により、病院を紹介する、OTC医薬品やサプリを勧める等もありますが、食事や運動を推奨し、商品を「売らない」と言う選択肢をとる勇気も必要です。
客を選ぶ 職場を選ぶ
経営者視点でいえば、売り上げ・利益が増えることが最優先。「企業」は「企てる業」です。
どんな崇高な理想を掲げていても、従業員が疲弊し、やりがい詐欺まがいの薬局も多くあります。
また、地域によって、患者さんの性格の波が合わない事があります。もちろん従業員同士でも、何も悪事をしていないのに嫌われる事もあります。
経験を積むのは一か所で長く働くのも一つですが、様々な地域の薬局を見て回るのも一つ。自分の体に沁みた痛みは、自分にしかわかりません。
様々な経験を積んでいただきたいと思います。
もう一つの「客を選ぶ」。これは難しいと思いますが、一言でいえば「感謝してもらえるお客さんを大切にする」に尽きます。
これは大きなテーマなので、機会があれば再度説明します。
幅広い知識と細かい1位
薬剤師や薬局勤務者は、薬だけ知っていればいいというわけではありません。
食や運動、テレビでの健康番組で何をどのように説明しているか?という事は以前も書きました。
それ以外にも、国際情勢や歴史、電化製品の取り扱い等知っているほうが良いものが多くあります。お客様から頼りにされる薬剤師になりましょう。
また、専門性も大切。薬局内で「この薬・疾患については○○さんに聞くといいよ」と言われるようになりましょう。これは一日二日でできるものではありません。しかし、一日10分でも1年続ければ大きな差になります。
これらの知識は、今所属している薬局が倒産する、何かしらの事情で日本を出ることになっても役に立ちます。
また、この勉強は楽しむことが大切。べつに難しい本を読む必要は無く、漫画でもYoutubeでも良いと思います。
先ほど述べたグルメ漫画、殺人トリックなどにも薬関係の知識が多く使われています。作家さんたちの勉強量に頭が下がります。
まとめ
現在の薬局業界はかなり苦しい状況です。
その中、何を勉強してよいか?など聞かれることが多く、国によって定められた「ルール」に皆不安になっています。
誰に向かって仕事をしているか?を意識することでこれからの10年は生き残れるのではないでしょうか?
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