苦労は買ってでもしろ、について 可愛い子には旅をさせよ

教室薬局新人教育

苦労は買ってでもしろ、と言われているのに

最近の若者は…

彩流
彩流

「血肉になる苦労」は良いですが、

昨今の苦労は「ブラック企業」の言い訳に

なっていませんか?

どんなことが若い世代の役に立つのか…

彩流
彩流

『可愛い子には旅をさせよ』

と言うように、様々な価値観を

身につけるのが良いです。

若い時の苦労は買ってもせよ:若い時の辛労は買うてもせよ

古代エジプトの資料にも書かれていた「最近の若者は…」というおなじみのセリフ。2,000年経っても変わりはないようです。

社会が変わっている

10年ひと昔と言われるように、10年経てば見た目変わりは無くても細かい所で変化しています。それが、20年、30年となってくれば大きな変化になってくるでしょう。

企業や社会において、最近の若者は…と評するのは大体30年の差ぐらいではないでしょうか?

30年前といえば、平成になった当初。まだ携帯電話など十分に普及しておらず、交通の便も今ほど利便性が良くありません。

ハンコ出張(印を押す為だけの出張)や、ゴルフ接待・官官接待、海外出張もビジネスクラス等、今では考えられない厚遇。携帯電話やメールが無いので、朝9時~18時以外の連絡はほぼ皆無。高度成長期で、黙っていても昇給賞与があります。

それでは今はどうでしょう?長距離出張も日帰りが多く、接待は自腹。休日夜中早朝でも上司からメールが来たりします。過酷な環境下で昇給は無く、経営責任を押し付ける形の賞与カットが当たり前。

美味しい所は全て食い尽くされて無くされ、義務だけが残った感じさえ受けます。

30年前の苦労とは違うのです。

己が変わっている

人間は、過去の出来事を美化する傾向があります。当時は本当に血を吐くほど大変だったかもしれませんが、終わってみると「良い思い出」になってしまいます。

それを、若い世代が苦労していない、血を吐くほどの努力をしていないからダメ、と言うのは間違いです。

自分自身の思い出を美化して、今現役世代と比較するのは間違えています。ところが、「最近の若者は…」と苦言を言う世代は、それに本人たちは気が付いていません。

制度が変わっている

30年前、一部上場企業に就職できれば安泰。初任給が安くても、酒とたばこ、ギャンブルなど浪費しなければ、家を買って、車を買って…と言う時代。

現代はどうでしょう。初任給も10年後の給料も安い上、以前よりも社会保険料や年金、所得税、消費税などの値上がりがあり、とても余裕のある収入ではありません。

有期雇用では昇給賞与はありません。3年毎にキャリアを積み上げることなく違う職場へ。年齢を追うごとに仕事に就きにくくなります。

「若い時の苦労は買ってもせよ」は、ブラック企業が何も知らない若者を使い捨てる方便になっている気がします。

団塊Jr世代から見れば、昭和平成初期入社の世代より、現在の若者の方が苦労しているように思います。

 

新人教育:身になる苦労とは?

新人教育や研修担当者にとって、言葉で教えるのは簡単ですが、実際に身につけることは難しいのがこの「苦労」について。

身につけるには経験が一番!経験させるのは大人の仕事

「百聞は一見に如かず」と言われるとおり、研修などで100回聞いたとしても、実際に自分が見聞きしたほうが効果あります。

例えば研修会で「海外の医療保険制度」を幾度も話しても知識にはなりますが、何故問題なのか、薬や生活保護の支払いは?など分からなくてもそのままになってしまいます。しかし、実際に海外に行き、その国独自の保険制度やその制度の無い国、保険が使えない層の人たちを見るだけでも、大局眼を養えます。

ドラッグストアにしても、日本では処方箋でしか扱えない薬が、国によってはスーパーで売っていたり、逆に日本でその薬を持って帰ると違法になる成分などもあります。

可愛い子(従業員)には旅をさせよ

新人教育をしている上で、私はよく「旅に出る重要性」を説いています。

学術大会などは薬剤師・非薬剤師問わず、会社の成長を思えば全員社費で出張させ、報告書の提出を求める。実際に学会に参加してる時間は短時間でも、その雰囲気や環境から学ぶことは沢山あります。

報告書に美辞麗句が並んでいなくても気にしません。それよりも文字にならないものを得てきていることが多いです。

海外は流石に難しいことが多いですが、大学在学中やまとまった休みに行くことをお勧めします。

経営者によっては自分や家族は出張によく出るものの、新人や中堅には「本で充分」「そんな余裕はない」と突っぱねることもあります。そういう企業の先は長くないでしょう。

価値観を養う:孟母三遷の教え

様々な価値観が養われるのは、自分が違う価値観の中に放り込まれた時。旅もそうですが、違う部門で働くのも一つです。

薬局というだけでも、調剤薬局やOTCの薬店、病院敷地内薬局などでそれぞれ違う文化があります。

同じ国内、同じ保険制度なのに関東と関西でも客層が全く違う事も学びになります。

短い一生です。様々な経験をして、最近の若者なりの身になる苦労をしましょう!

アジア城

まとめ

若い時の苦労は買ってもせよ、と言われますが、身になる苦労でしょうか?最近の若者は…と言っている方々の世代とは様々変わりすでに時代遅れ。身になる苦労は「可愛い子には旅をさせよ」です。環境を変えることで文字にできる事以上の身になる経験を積むことができます

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