長引く不況、増税、世界的な感染症で、社会的不安定が長引いています。
仕事や安定した収入が途絶えてしまう、またはその恐れがある方がニュースで既に1万人を超えたとのこと。
衣食足りて礼節を知る
この言葉と、マズローの5段階欲求(三角形)は、ともに語られます。着るものと食べる物が危うい、というのは生命の危機に瀕しています。
出典
「衣食足りて礼節を知る」この言葉は戦国から漢の時代の「管子」牧民の言葉とされています。漫画キングダムの時期でしょうか。およそ2,200年前であり、多くの人によって編纂されています。
意味
読んで字のごとく。人間は衣服や食事がしっかり満たされることで、マナーや礼儀というものを学ぶことができる、と言う意味です。
食べる事は容易に想像がつくと思います。明日食べる物が無い人に、10年後の理想を話しても心にしみることは難しいです。また過去に起きた革命や一揆は「食べる物をよこせ!」となって発展しています。
衣服もまず着るものがあってからのファッションや制服です。衣服の役割の中には、自分の身を守る、外を歩ける状態にするという基本的なものがあります。
着るものには格差が表れやすいのも事実。ブランドやデザインだけでなく、選択肢の格差も如実に現れます。子供の制服・体操着も同様です。着るものが十分にない状況では充分に学ぶ・仕事に就くことも難しいでしょう。
社会的意味
人に対して使うこともありますが、言葉の成り立ちや意味から考えると、社会構成や国のあり方を考えるうえで、出来た言葉ともいえるでしょう。
国の役割としては、国民を飢えさせない、という使命があります。また、自治体、地域によっても同様で、衣食住が十分でないと、問題が起きて当然です。
マズローの欲求5段階
また、マズローの欲求5段階はアブラハム・マズロー(心理学者)が提唱。マズロー自体は1908年の生まれとされていますので、2000年の開きがあります。これは
第一段階 生理的欲求
第二段階 安全欲求
第三段階 社会的欲求
第四段階 承認欲求
第五段階 自己実現欲求
とあり、下の段階が満たされないうちには上の段階にはいくことはできない。というものです。
「衣食足りて礼節を知る」はどちらかと言えば客観的視点。マズローの5段階欲求は主観的な視点です。
三角形で良くあらわされます。企業の新人や中間管理職研修などにもよく使われるマズローの欲求5段階。
ただし、矛盾する言葉も。「武士は食わねど高楊枝」などはその良い例。また、戦時下の心理状態もこのマズローの欲求5段階の例外要素になるかと思います。
現代社会に置きかえると。礼節は健康・学問
「衣食足りて礼節を知る」ですが、主観的に言えば、礼節は健康と置き換えても良いかもしれません。十分に衣食住が満たされないうちに「健康に気を使って食事をしましょう」といっても、難しいです。
ある統計では世帯収入が低い程、カロリーの高い食事をとっている、というのがあります。これも容易に想像がつきます。生活の為に食費を抑えると、炭水化物の割合が増え、食物繊維やたんぱく質が減ってしまいます。
ある程度余裕があれば、食べ物を選ぶことができますので、農家直売やオーガニックなどの選択、そして環境問題含めて、自炊という選択肢をとることもできます。
私事の経験ですが、その日暮らしが続くと、夕食を作る元気も気力もなく、コンビニ飯が多くなります。単価を考えると高いのですが、当時は考える余裕すらありません。次の給料日が「楽しみ」ではなく「生きてられる、生き延びられる」という考えになります。
それが「家畜同様に生かされている」という感覚、ただの機械になっている気がしてきます。
現在、社会的貧困が問題になっています。社会的格差の相対的貧困は年々深刻になっています。そして、その家庭は十分な教育を提供することができず、益々格差が広がっていきます。
国の行く末が心配。衣食住を選択できる力がある国民を増やすことが直近の課題。
まとめ
古代中国より、衣食が満たされないうちは、勉学や礼節を学ぶことはできないとされています。似た考え方にマズローの欲求5段階があります。社会的貧困が問題視されている中、健康も失われる可能性が高いです。まずは基本的な衣食住を確立することが大切です。
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