新人教育:自己分析と「ジョハリの窓」を意識させる

教室薬局新人教育

私の長所は…短所は…。

これで良いのでしょうか?

彩流
彩流

自分の見える所、見えない所があります。

自分自身を把握するうえで、

『ジョハリの窓』の理解は重要です。

新人教育で「自分自身を理解させる」のは重要

教える立場でも教わる立場でも、自分自身を理解する「自己分析」はとても重要です。

自分の性格や強み弱みがわかることで、今後の仕事や生活、人付き合いまで良い方向に導いていけます。

相手を理解し自分を理解する

教育においても、実際の職場でもいえる事ですが、相手も自分も、一長一短ある人間です。完璧な人はいません。

教える立場でも教わる立場でも、相手が自分よりも優れている所は数多くあります。また、その逆もあります。

どんな相手でも、同じ人間。相手のいう事がどんなに間違えていても、相手を否定するのではなく、相手の意見や考えが何故そう生まれたのかを考える必要があります。

また、自分が否定された時も、自分を否定しているのではなく、自分の意見を否定されたと考えましょう。

なぜなら、自分の考えや意見は「自分の一部」で「全部」ではありません。ただ、その意見に達するまでは、自分の見える所見えない所が複雑にかかわっています。

このことが理解できるか否かで、信頼関係も大きく影響されます。

自分を構成する4つの特性

次の項で説明しますが、自己分析をする上で、誰にでも4つの要因が関わってきます。

自分で見える所と見えない所。そして相手からの視点で自分の見える所と見えない所。

自分自身を理解するうえで、この4つのカテゴリーはとても重要です。

この4つのカテゴリーを「ジョハリの窓」と言います。

自分自身を理解する「ジョハリの窓」

ある程度学んだことがある人ならば「ジョハリの窓」(Johari Window)と聞いただけで「あ、あの話ね」と気が付くかもしれません。

ここからはジョハリの窓について少し解説していきます。知っている人は飛ばして構いません。

①開放の窓 自分からも相手からも見える自己

まずは、一番わかりやすい「開放の窓」と言われるカテゴリー。

自分でも他人からでも自己を見ることができる場所です。

「私ってこういう性格なの」と言った時、周りの人も頷けるような所でしょう。

表に出ている分、わかりやすく想像しやすい部分でもあります。

このカテゴリーが大きくなると、親近感を産みやすくなります。

②秘密の窓 他人には見えない自分だけ知っている自己

次に、この「秘密の窓」です。これは他人には見えない、知らない部分が相当します。

よく例に出されるのが自分が経験した「トラウマ」「事件事故」などが影響します。

悪い例だけではなく、自分が経験した成功体験等もこれに含まれます。

自分から暴露しない限り、他人は気が付くことが困難です。

③盲点の窓 他人から見える、自分の知らない自己

ここからは、自分では見えない部分です。自分からは見えないが、他人から見える部分を盲点の窓と言います。

自分ではしっかりやったつもりでも、上司や配偶者から「詰めが甘い」と言われる人も多いのではないでしょうか?

または友人から「○○さんて意外と△△だよね~」という意外な言葉もこのカテゴリーに相当します。

対人だけでなく、心理分析やAI等を使い、意外な診断結果が出たときも、この分野に相当します。

④未知の窓 自分からも他人からも見えない自己

見つけることが難しいカテゴリーでもある「未知の窓」。新しい自分、まだ出会えていない自分と言うのがこの分野です。

思いもよらない事が多いので、分析が難しく、さらに明文化することが困難。

しかしながら、努力と時間経過と共に次第に明らかにされることも多いです。

新人教育においての「ジョハリの窓」

自分で気が付いている部分については明文化も可能です。しかしながら、自分では気が付いていない部分には「気づき」の必要があります。

この気づきを新入社員にも受け入れ部署にも見えていない部分の存在を「気が付かせる」事が大切です。

それぞれ窓の大きさは変えることができます。

世代ごとに違うジョハリの窓活用法

職場コミュニケーションを図る上では、もちろん開放の窓を大きくするのが良いです。

ただ、急に他人から意外な事を指摘されると、驚かせてしまう事があります。周りが知っていれば良い事も数多くあります。

逆に「秘密の窓」をもつことでストレス解消につながっていることも多いです。

世代的に昭和就職組の50代後半以上の方々は、プライベートを犠牲にすることが当たり前で、新人の「秘密の窓」を外からこじ開けてしまう人が多い感じがします。

就職氷河期の平成就職組はやはりプライベート重視が定着してきていますが、他人の目を気にしすぎる気がします。

近年就職した若者はSNSに慣れているため、相手に自分をどう思わせようか?という事が自然に文字でできています。その分「盲点の窓」を認めようとしない傾向があるように感じます。

新人教育現場での実例

私が以前、新人教育研修でやった事です。2,3日目に行う事である程度仲間意識ができているころです。

4人で1グループ作り、それぞれ一人1枚A4の紙を渡します。それを4つに分けます(A6の紙4枚出来上がる)。

そして、4枚の紙、1枚目は自分で自分の性格を良い事3つ、悪い事3つ書きます。

別の紙には、同じグループのメンバー一人につき良い事3つ、短所と思われるような事1つを書きます。他人の短所は書きにくい事はあらかじめ話しておきましょう。

書いている間は、他の人とは話さないようにしましょう。

そして、他の人が自分の事をどう見ているのかを、自分の書いたことと同グループ内で見られている事を比較します。

とくに悪いと思われている点と、自分が思っている悪い点は大きく違う事が良くあります。

これらをそのままにしない為、家に持ち帰えり、良い点を伸ばして悪い点を改善するようにすると、自分の再評価、向上につながります。

まとめ

新人教育で、自己分析をさせるのはどの現場でも行われています。

ただ「ジョハリの窓」の表す通り、自分自身の見えている部分と他人からしか見えていない部分、自分も他人も見えていない部分があることを理解させる必要があります。

私が行っている分析方法も例として、自己分析を行い、職場でのコミュニケーションを向上させるヒントになれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました