なかなかお客様と話ができません。
上手く話が続かないし。
まず、聞く姿勢から。「傾聴(けいちょう)」のスキルを向上させましょう
話をするには話を聞く
薬局に限らず、お客様・患者様・関係者様との話をするには、ある程度のスキルが必要です。
傾聴とは
こちらの話をするだけでは、相手に響くことは皆無です。相手の話を聞いて、受け止め、そして相手を認める。そうすることで相手の心が開き、更に話を始めます。
「傾聴」とは字のごとく、まず聞くことに傾きを示します。相手の主張をまず聞く。
そのためには雰囲気や姿勢、相手との距離などが関係します。
「指導」にこだわらない
薬局ではどうしても「指導」という言葉が頭をよぎってしまいます。
指導と言えば、指し示して導く。何か教えなきゃ!生活変えてもらわなきゃ!と思ってしまいます。
とはいえ、新人や若手は薬の説明ができても、自分の年齢の倍以上生きてきた人へ指導というのはなかなか難しいものです。
また、中堅薬剤師などにもあるのですが、説明は流暢なのですが、相手に響いていないことが多いです。結局、何もしていないのと同じになってしまいます。
話を聞く、聞き出す
まず、心がけとしての一番大切なことは「話を聞く」という姿勢です。
100人の来局がいれば、100通りの悩みや問題があります。そのほとんどは明確になっていないことが多いです。
雰囲気作り
まず、相手が話しても良いんだ、という警戒心を解くことが大切です。
忙しそうにしていたり、従業員同士がギスギスしているようでは、空気で相手に警戒心を与えてしまいます。
ここでのコツは「元気な挨拶」です。
大声を上げる必要はありません。相手が心地よい、と思える程度の声であいさつしましょう。
処方箋や相談を受ける際も、名前を呼ぶようにすると親密感が上がります。
姿勢
どの段階でも、相手の話を聞こうとする姿勢は大切です。自分ならどんな時に話したくなるかを考えるのも良いでしょう。
カウンター越しに対面する際は、少し体を斜めにする。
そして相手の目を見つめ過ぎない(鼻から口当たりを見るのがオススメ)。
話を聞いている際は、時々メモを取ったり、一緒に調べるなどすると、「この人は一緒に考えてくれる」と思われます。
注意点は、モニターやキーボードを入力しながら話していると、相手は話そうとしてくれません。
軽い挨拶から相手の緊張感を説き、そして話をしていいんだ、という姿勢を相手に伝えます。
「相づち」も大事な間の取り方。別の機会で相づちについて書かせていただきます
相手との距離
ここでの距離は物理的な距離と心理的な距離についてです。
物理的な距離は、昨今のコロナ感染により、あまり縮めることができません。相手に聞こえ、他の患者さんお客さん達には聞こえにくい音量が必要です。
心理的な距離の縮め方ですが、幾つか方法があります。
・冗談を言う
・一緒に考える
・自分の失敗談を話す
などです。
自分を笑わせてくれる人に対して、人は警戒心を解きやすいです。
また、一緒に考えてくれる人も共感を得られやすい。
さいごに人間味が出ている人は頼りがい、というよりも親密感が得られやすい。
これは「婚活」などにも応用が利く技術です。
傾聴を学ぶ
苦手意識を克服するにはやはり学ぶのが良いと思います。
小手先で旨くなるようなものではありません。学んで実践して身につける必要があります。
先輩たちから学んで、その通りするのも大事です。さらに自分のキャラクターを上乗せすれば鬼に金棒でしょう。
薬剤師用のWebラーニングでも、「傾聴」「カウンセリング」などのキーワードで学ぶことができます。
心理カウンセラーもこの分野で活躍しています。
職場だけでなく、傾聴スキルは自分の生活にも役立てるので、この機会に学んでみてはいかがでしょうか?
まとめ
なかなか話がしにくい、聞き出すことができないときは、傾聴のスキルが役に立ちます。薬局に限らず、相手の警戒心を解き、話をしながら相手をリラックスさせる。姿勢や雰囲気づくり、距離感が大切。一日で血肉にすることはできないので学びと日々の練習が必要です。
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