小学生算数:平均点を確実にとる3つの勉強法

教室雑記帳

以前小学校高学年を対象に算数を教える機会がありました。

教科によってですが、できる子はできる。しかし、できない子はできない。苦手意識から逃げ回る子が多いのは、数十年前の私の時代と変わりません。

ただ、感染症以降、大きく変わったのが「Youtube」等の動画をみて自己学習している子供が多いこと。

このことが新しい問題点を作っているように感じました。

平均点を取るとは?

小学校のテストは、それ以上の中高学校と違って、あまり偏差値や点数の事を説明や評価されません。

それでは、クラス単位の「平均点」とはどういう事でしょう?

平均点の算出方法は、小学校5,6年生で基本を習います。そのクラス全員の得点をクラス人数で割った数字。

テストつくりの上手な先生であれば正規分布を作る様に問題を作ります。

そして中央値(40人学級であれば上下20位の点数)を70点~80点前後に。

ある先生、小学校も中学校も経験されたこの先生は、テスト問題作成の際、小学生は平均点を80点くらいに、中学生では70点くらいに設定して問題を作るそうです。

平均点以上はクラスの半分以上の位置

平均点、計算方法は先ほどの通り、全員の得点の合計を、人数で割ります。

極論から言えば、一人が100点、後39人が0点の場合、
平均点は2.5点
中央値0点
0点だった生徒のうち、一人が10点でも取れれば平均点以上になります(平均点は2.75点)。

ただ、この極端なテストの場合はテストを作った側に問題がありそうです。

さて、平均点以上取れると、得意科目になりやすく褒められやすく「算数が好き」という児童生徒が増えてきます。算数で平均点以上とって「苦手です」という児童はあまり見たことがありません。

褒めるのが大切なのは、成人の新入社員研修でも同じ。

Youtubeの弱点

さて、人気のYoutubeですが、リモート学習から多くの児童生徒が利用しています。

予備校やカリスマ先生が、分かりやすい説明していて、私も時々参考にさせていただいています。

ただ、平均点を取れていない児童が「高得点を取るコツ!」と観ても「へ~」で終わることが多いです。

100点満点のテストで80点取っている人が90~100点を目指すには良い動画が多く、再生回数も多いのが現状。反面、基本をしっかり押さえている動画の再生回数は驚くほど少ないです。

人気動画は「これもオススメ」に良く表示されるため、多くの子どもたちが見るようになります。しかしながら、自分のレベルに合わず、残念ながら時間とエネルギー(電気代・通信費)がもったいないです。

親から「観ろ」と言われて苦手科目を見るのは苦痛です。どうしても見ているふりして、別の事をしてしまう子供も多いのではないでしょうか?

まず平均点を取る、そして上達する

さて、私が今回説明する平均点ですが、「基礎をしっかり固める」のが目的です。

いまも練習問題や計算ドリルがあります。私は勉強を教えているときに、「練習問題では、間違えた方がいいよ」と言っています。

練習問題で20問中、間違えが3問あった場合、その内の2つは同じ理由で間違えていないでしょうか?

一問確実に解けるだけで、平均点に近づくことができます。

自分の間違いの傾向を見ることで、確認をする際にあと5点、10点取れるようになります。

早く解き終わる事より、点数を取ることを教える

社会人研修でよく使われる「2:8の法則」があります。
2割のお客さんが8割の売り上げを作り出す。
2割の商品が利益8割を占める。
2割のクレーマーが8割のストレスを生み出す。等々

小学生たちにも時々教えていますが、「締め切りまで、確認の時間「2割」が8割の失点分の点数をとれるよ」とのことを伝えています。

とかく、小学生は『早く終わらせて、テストの裏に絵を描く』という癖がついています(私もそうでした)。そこで、早く終わらせるよりもう一度問題解いてみよう、というだけでだいぶ変わります。

良い点が取れる教科は好きになる

中高学生の受験勉強と違い、小学生の算数のテストは「基本問題・応用問題・図形問題・文章問題」。

まずは基本、足し引き掛け算

基本は大切。足し算引き算では繰り上げ繰り下げの練習です。

塾で20人近く教えていて、まず「掛け算」をしっかり覚えていない子には、九九を。小学2年生で習う掛け算ですが、4年生でも間違える子は結構います。

確認もすぐにできる為、点数を落とさないように、楽しく繰り返し練習。

応用問題、図形問題は、分けて考える

小数点や分数などは基本がしっかりできていれば、次の段階へ。ただ、それができていなければ、一歩下がって再度。

文章問題は数年前に流行った「うんこドリル」が良い教材。うんこに限らず、文章を読んでその意味を理解する、というのができていない子供が多いです。

時々、私でも読んでて意味が分からない文章問題がありますが、読解力はとても大切。すぐに力がつくものではないので、国語等も併せて勉強が必要です。

図形問題は「パズルゲーム」です。線を何処に引くか、何を求めたいか?で分解して解いていきます。

これ等で点数が取れるようになると、褒められる。褒められるとその教科は好きになる。好きになると益々勉強する、という好循環が生まれます。

そして気がつけば、平均点を超える点数を続けてとれるようになっていきます。

解き終わったら、必ず確認

前述したとおり、早く解こうとするのが小学生。これは理解しなければなりません。

そこで、残り時間「もう一回解いてみて」と確認させましょう。一回目と二回目で答えが違えば、どちらかが間違っています。

その時に、前の答えを消さない事。どうしても後から解いた方が正しいと思ってしまいます。

間違えに気がついて、一問でも点数が取れれば、点数アップにつながります。

その点数が、その「教科が好き」につながり、自信へと変化。ちょっとしたことから将来の大学学部選択や就職先にまで影響がつながる可能性も十分にあり得ます。

まとめ

特殊な解き方を教える動画の割に、基礎を教える動画が少ないYoutubeや教材。平均点以下の子供が見てもあまり役に立ちません。半分以上の子供は、まずは基礎を固めることで平均点を連続して得られるようになっていきます。基礎を固め、見直し確認、そして練習がコツです。塾で見ていると、当たり前のようでなかなかできていないのが現状です。

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