よく中国古典に「君子(くんし)」って出てきますね。
王様、ということですか?
広い意味で
君主はその地域を治める者、王様でも良いでしょう。
君子とはできた人間、目標とする人と言う解釈です。
間違えやすい「君主」と「君子」
君主と君子、ちょっと聞いたところだと共に摩擦音、時々聞き取りにくい時がありますが、意味が全く違うといってよいでしょう。
君主とは
君主は、主に世襲によってある地域の統治につく最高位統治者。
時により、選挙君主も存在します。
多くの場合、一般の人が目指そうとして成れる地位ではありません。
君子とは
一方で「君子」とは徳が高く人格者、多くの人の目指す理想的な人物です。
中国古典では、「君子危うきに近寄らず」や「君子、和して同ぜず」など、多く使われます。
こちらは、男女問わず、理想とする人物像。または理想とする人物になるための道筋と言えるでしょう。
漢方:四君子湯・六君子湯の由来
漢方薬で「君子」は主薬となる生薬の数です。
漢方処方でいうと、君・臣・佐・使でクラス分けしてあります。
君はメインとなる生薬で、四君子湯は4種類、六君子湯は6種類使用しています。君子レベルの薬をその数だけ使っているので、実際に配合されている生薬はそれより多くなります(テストに出ます(笑))。
古典を学ぶ上では君主になろうとしましょう
中国古典を学ぶ上で、特に論語には君子と小人の比較が良く出てきます。
小人は現在の弱い自分、君子は目標とする人物とするのが良いでしょう。
幾つか名言を並べます。
君子は義にさとり、小人は利にさとる
普段の人間と言うのは、利益によって動く。しかし君子は義を重んじ、義によって動く。
君子は人の美を成長させ、悪を成長させない。小人はこの逆である
美は人の長所ともいえるでしょう。中々行うのが難しい言葉です。
君子は道を憂えて貧を憂えず
できた人間と言うのは自分の道を憂いているが、貧しさは憂いえない。
貧すれば鈍するの逆ですね。貧しさよりも進むべき道を探すのはなかなかできるものではありません。
その他にも数多くの名言があります。
是非中国古典を楽しみながら、自分の成長に繋げてくださいね。
まとめ
間違えやすい「君主」と「君子」について、中国古典を中心に解説しました。
君主とは位(くらい)、君子は立派な人物という解釈が妥当です。
また、漢方薬でも「君子」は使われる言葉です。
君子に成れるよう、しっかり把握して古典を楽しみましょう。
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