私の話、しっかり正しく伝わっているかしら?
[意味交渉]一方的に確認するのではなく、お互いに確認することが必要です。
今回は、新入社員、研修担当両方に向けた記事です。
意味交渉は必ず行う
意味交渉、なんだか難しい四文字熟語、言葉の様ですが、要は相手が自分の意図したことがわかっているか、理解し合えるよう工夫し、相手が理解できたかを確認する行為のこと。
教育担当者は、教えたいことをいち早く伝えようとしてしまいます。逆に教わる方は、話の流れを止めないで聞いていることが「善」となっていることが多く、またわかったつもりになっていることもあります。
コミュニケーションを進める中で、一方通行にならないようにしなければなりません。
「さっき言ったでしょ!」との言葉が時々聞かれますが、それは「正しく伝えていない」のと「正しく受け取っていない」の2つの原因が考えられます。
意味交渉の実際
「確認」は「意味交渉」の一つです。意味交渉は双方が歩み寄らなければなりません。これを別の用語で「相互交渉仮説」とも言いますが、大きく3つの方法があります。
教育の場では、教育担当者から一方的に「わかった?」と聞くのではなく、新入社員の方からも積極的にチェックする必要があります。いくつかの方法があるので、活用しましょう。
また、一人の教育担当者に複数人の新入社員がいる場合は、上に書いた通り、理解していなくても質問しにくいかもしれません。積極的に発言できる環境にするのも必要です。
幾つかの方法があるので、説明していきます
意味交渉の手段
実際のところ、意味交渉の方法には名前が付けられていますが、名前は重要ではなく手段を身に着けることが必要です。自然にできるようにしましょう。
明確化要求
相手の言葉が不明確だったり知らない言葉の時に発言を明確にするよう要求することです。
番号や薬の名前には似た言葉が多いので、しっかり聞き取れない場合は、再度発言してもらうか書いてもらうのも一つです。
また、業務に限らず電話でも「シチ」と「イチ」などが聞き取りにくく間違えることもあります。この際も復唱したり、もう一度言ってもらうのが良いでしょう。
確認チェック
相手の伝えたい事、言いたい事を自分が正しく理解しているかをチェックすることです。これが上手な方は講演会等で質問も上手です。実際に確認チェックというと、テストされるように思う方が多いですが、理解が正しいかどうかを確認するためなので、受け手が主軸です。
先生の話をこのように理解しましたが、よろしいでしょうか?
と聞けば、話し手の方もしっかり伝わったかどうかわかります。
理解チェック
この「理解チェック」は、話し手側が軸。話したことや内容を相手が正しく理解できているかを確認します。
この際も「わかった?」と聞くと、大体の場合、理解の有無にかかわらず「はい」という返事が返ってきます。相手の理解を確認する時には、あまり良い訊き方ではありません。
実際にロールプレイングや練習問題をやってみるのも理解チェックの一つです。そうすることで、聞き手は、どこが理解できていなかったか、発見できることができます。
わかったふりをしない
新入社員に限らず、意味が分からず理解できていなくても場の雰囲気を壊さないようにするのが日本人の美徳とされてきました。これが教育現場では理解を深めることの足を引っ張る原因の一つになっています。
わからないことを聞ける雰囲気作り
話し手だけでなく、受け手も質問できる雰囲気、環境を作ることが必要です。受け手のわからない事はすぐに聞く、という姿勢を見せるだけでも場の雰囲気が和みます。また、教育担当者は自分の話が伝わったのかがその場でわかるので、言葉を変えたり実例を挙げたりできます。
薬局ではほとんどの場合、教育担当者と新入社員が1人か2人という事が多いので、お互いの歩み寄りで円滑に理解度をたかめることが可能です。
大人しくしている、わかったふりをしているのはかえって厄介です。お互いが意味交渉を行い、理解度を高めていきましょう
まとめ
教育もコミュニケーションの一つです。話し手、受け手の双方が意味交渉を行い、お互いの理解を正すことができます。意味交渉の手法、明確化要求・確認チェック・理解チェックの3種類を挙げました。これらの意味交渉をスムーズに行うためにも、話し手と受け手の双方が歩み寄り、場の雰囲気を盛り上げていきましょう。
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