医食同源

アジア城温故知新

医食同源てよく聞くけど、明治以前の言葉?

彩流先生
彩流先生

言葉自体は最近の50年ですが、考え方は二千年以上前からです

温故知新。流行語並みによく聞く「医食同源」と言う言葉。この言葉自体が使われ出したのはここ50年近くです。

歴史を紐解く

医食同源は最近の言葉

温故知新になるかどうかは不明ですが、流行語並みによく聞く「医食同源」と言う言葉。この言葉自体が使われ出したのはここ50年近くです。

元をたどれば古代中国

最近の言葉である「医食同源」ですが、「衣食足りて礼節を知る」や「調摂修養・薬石次之」などの言葉があることから、昔から考えられていることに間違いはなさそうです。

また、更に過去にさかのぼると、古代中国(紀元前300~250年)では、五行説が言われ、その後「味」や「穀物」「肉」について言及されていることから、食の調節は必要不可欠とされてきたようです。漢方の基礎となる「傷寒論」ができたのは紀元後200年の後漢時代。

後漢時代といえば、三国志でおなじみの方も多いのではないでしょうか。限られた食材・保存状況の中で発達した食と医薬の知識。その知識が今も活用されています。

また、記録という事では、識字率の低い民間療法よりも、皇族貴族の子々孫々繁栄が必要とされていることは容易に想像がつき、2000年以上たった今でも記録を観ることができます。

日本でも中国や韓国からこれらの知識が伝わりました。一番有名な所では貝原益軒の「養生訓」ではないでしょうか。

普段の生活に

調節

考え方自体はとても理にかなっています。食事と医薬はともに普段の生活になくてはならないものです。源は同じである。そこには人体の健康維持というものがあり、細分化されていきます。

日本ですと、どうしても「医」が先に来てしまいそうですが、宮廷料理や歴史書など「食」の方が重きを置かれています。病気の記録よりも、日々2~3度とる食事の方が記録を作り、保存価値が高かったようにもうかがえます。

医も食も調節が大事。どんなものがどのように体に良いのか、という事が記録されて伝えられました。

結局のところ、医も食も摂り過ぎは禁物。過ぎたるは及ばざる、というよりも毒になります。

どんなに健康に良い、という食材、料理法を使っても、満腹になるまで食事をしたり、それを日々のサイクル無視していれば、どう考えても病気を引き寄せてしまいます。

普段からの心がけがとても大事という事ではないでしょうか。

薬を飲んでるから大丈夫?

時々、患者さんで「○○の薬を飲んでいるから、これくらい食べてもダイジョーブ」という方がおられます。我慢に我慢を重ねた食事は確かに面白くはないでしょう。

ただ、薬を飲んでいるから大丈夫、ということはありません。特に気にせず摂った糖や塩分、脂分は知らない間に体にダメージを与えます。薬を飲んだうえで食事にも気をつけるのが、結果的に普段の食事を美味しく食べるコツです。

また、今では車や公共交通機関などが発達し、以前に比べると「運動量」というのも看過できない少なさ。運動不足は病の原因の一つになります。食事と運動が必要です。

医食同源の今後

この考え自体が既に2000年以上確立されていますので、覆されることは考えにくいです。この言葉、古典ではありませんが、この先、生活習慣病という病がある限り、言われ続けるのではないでしょうか。

残念ながら、商業目的で使われがちな言葉でもあります。サプリメントでも「医」と「食」をキーワードに、そして手軽さを売りにすれば、興味を引き付けられそうです。

商業目的に文句を言うつもりはありません。開発している先生方も努力されていることと存じます。ただ、医食同源、求めるものは健康長寿です。

医食同源が気になりだすのは30代後半くらいから。そして50代になると、気になる兆しが顕著に表れ始めます。

正しい情報と自分に合った生活習慣を見直していきましょう。

ということで、今回は「医食同源」について書かせていただきました。

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