時々耳にする「切磋琢磨」と言う言葉。どういう意味でどのように使うのでしょう。
切磋琢磨の意味と由来
意味は自分自身やお互いを励まし合ってお互い向上させるとき、又はその結果に対して使います。時には競争しながら、協力を惜しまずお互いを高めあい鍛錬して相互に向上することを言います。
意味
切磋琢磨の漢字を見てみましょう。それぞれの漢字が加工の手段からの漢字になります。
切…骨を切り、加工する
磋…象牙を研いで加工する
琢…玉「ギョク」を打って加工する
磨…石を磨いて加工する
結果だけでなく、道徳や学問、技芸の向上にも使います。
由来
中国最古の詩集「詩経」、風の一つからです。武公(衛・第6代王)の自己研鑽を表現した言葉とされています。紀元前660年以前の事です。
さて、本来は自己研鑽の言葉であり、協力したという使い方はこの時にはありません。
漢字を見てみても、お互いの協力や励まし合って高みへ、などの記入はありません。ただ、使い方から、現在は一人での研鑽では使われずに複数人やグループに使われます事が多いです。
リクルートなどの求人情報で「切磋琢磨できる環境です」と見かけますが、磨く側?磨かれる側?
切磋琢磨の解釈
切磋琢磨と言う言葉は結果や方法によって使われる言葉です。第三者が結果として言う、自分自身が結果として言うのは良いのですが、まだ起こっていないことを言うのは正しくないようです。
上司が新人などに向かって「切磋琢磨で向上しろ」というのは間違い。切磋琢磨できるかどうかは本人次第。そして必ずしも切磋琢磨して成功するとは限りません。
解釈
元々加工する言葉の四文字熟語から出てきた切磋琢磨と言う言葉。
象牙は現在は売買禁止されています。他の素材ももともと固く加工しにくいものです。決められた素材に決められた方法・手法で加工し、付加価値をつけていく。というのがもともとの意味です。
最近は「お互いが削り合い、身を細くして結果を出す」という、ダイヤの原石加工のような意味が使われています。間違いではないですが、4つのうちの一つだけ。
以前、自分は無傷のまま相手を削って、都合の良いように育てる、と言う意味で使われたことがありましたが、これも間違いではないようです(骨の切は道具は傷つかない)。ただ、世間一般からの解釈では、首をかしげる人も多いのではないでしょうか。
使い方
幾つか切磋琢磨の例文を挙げます
・○○賞受賞は、スタッフの皆さんが切磋琢磨し向上したたおかげです。
・この技術が誕生した裏には、社員同士の切磋琢磨がありました。
現代社会に当てはめると
どうも最近はお互いをたかめる、というとネットゲーム等でそれぞれレベルを上げて武器や防具をそろえて、共同して敵を倒すゲームが流行っているそうです。
社会に当てはめると、即戦力を求められる風潮が多く、自分を磨く余裕もない。複数人での切磋琢磨する環境が少なくなっているようです。
社内研修なども上から用意されたものに参加するのは「切磋琢磨」とは言いません。同期や後輩が社内研修以外にも本を読みセミナーなどに参加、ネット講義などを受けて、自分も受けなければ!と思う時に切磋琢磨が働きます。
「足の引っ張り合い」は切磋琢磨と正反対。
また、焦るあまり、休むことも忘れて体や心に傷を負ってしまう方も多く見られます。磨く事ばかり考え、励まし合う、休みを取る、という事が抜けているようです。
自分で見えない所をパートナーや相棒に見てもらう、場合によってはブレーキをかけてもらうのも切磋琢磨の一つです。
アラフィフオジサンが、このブログを振り返った時、やはり同じようにブログやYoutubeを始めたばかりの人の書き込みは、自分の励みになります。芸能人やフォロアー数何万人の人よりも、自分より少し上の人の方が、工夫や表現などを学べることが多いです。見つけられればラッキーです。
最近はツイッターなどでブログ初心者などのキーワードで探すことができ、良い環境になってきたのかもしれません。
まとめ
切磋琢磨という言葉は古代中国の詩集から、現代でも広く使われています。お互いがお互いを励まし合い、技や道徳、知識や徳を積んでいきます。現代では、リクルートの求人や複数参加のスマホゲーム等で使われがち。自分の成長と成果に切磋琢磨という表現を使いましょう。また時々自分を振り返るためにも相棒や良いライバルがいるのは幸運な事です。
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