ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉。
愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ。
少し掘り下げます
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の由来
出典はドイツ帝国の宰相オットー・フォン・ビスマルクの言葉。あちこちで名言格言として使われています。
彼自身は1815年出生1898年没。活躍したのは日本でいう明治時代です。
教科書通りの意味
ここでは、一般的な解釈としてまずは述べさせていただきます。
愚者(ぐしゃ)は自分の経験や視界でしか物事を判断できない。
賢者(けんじゃ)ともなれば、歴史(文献・他者の経験)などから物事を判断する。
と言う意味でしょう。
敢えて言うなら「本を読んで歴史を学びなさい」と一言付け足したくなるような答えが正解とされています。
ちょっと違った目線・視点から
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。新人教育をしていてもよく使う言葉です。
教えていながら、私自身は違った解釈をしています。
そもそも愚者(ぐしゃ)とは?
ここの愚者は「おろかもの」ではないでしょう。
世にいう「おろかもの」は自分の経験からすら学ぼうとしません。
また、ある程度年を召された方々も「俺の時はこれで良かった」という言葉もよく聞かれます。これも学んでいない。
自分の経験など大したことないですが、それからも反省や改善しようとせずに、そのまま突き進むのは、まさに「おろかもの」の愚者。
では、愚者とは…
むしろ「若者・自由人」と考えた方が良いのかもしれません。
タロットカードの0番は「フール(fool)」で直訳すると「愚者」です。
よくある挿絵には「旅人の姿」があり、「新たな出発点・スタート」「楽天的・自由」と言う正位置。逆位置では「無責任・衝動的・自己中心的」な意味です。
アップルコンピュータでおなじみのスティーブ・ジョブズも「Stay Foolish」。直訳すれば、愚者で居続けろ、となりますが、(考え方が)自由であれ。と言う意味の方がしっくりきます。
個人としての考え方や行動は「愚者」で固定観念に縛られない事が求められます。
賢者(けんじゃ)とは?
賢者、RPGゲーム好きの人にはおなじみ。ドラクエⅢでは「遊び人」から転職出来る、魔法使いと僧侶の両方の呪文が使える職業。その後もドラクエで転職と言えば、条件が厳しい上級職。
ゲームはともかく、実社会では「責任ある立場」という解釈がしっかり来ると思います。
論語などで出てくる「君子」「聖人」などとは違うようですが、それでも「人の上に立つ人間」「組織の長」と考えるのが妥当でしょう。
医療施設・薬局などでのミス、インシデントなどから大きなアクシデントを防ぐために、必ずリスクマネージメントを行います。
自分の経験だけではとても危なくて仕事ができません。
特に飛行機事故。同じ理由での墜落は起こさないよう、事象共有がされています。
どのようなリスクやミスが起きたのかを解析することで、新たな事故を起こさないようにするためにも、自分だけでなく他の事を学ばなければなりません。
一言でいえば「学び続ける重要さ」
新しい技術や情報、ソフト面でもハード面でも更新されていきます。
自分の見てきただけの世界、経験しただけの価値観では今後の予測など、正確にはできません。
歴史は古典だけでなく、今現在起きていることも歴史の一つです。
「歴史は繰り返す」と言いますが、同じ間違いを犯さないようにしなければなりません。
その為にはPCやアプリ同様、自分自身のバージョンアップが必要です。
まとめ
ドイツの宰相ビスマルクでおなじみの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を考察しました。
自分だけでなく自分以外から学ぶことが大切です。
ただ、本物の愚か者は経験にすら学ぼうとしません。
これからの世の中、歴史も本からだけでなく様々な生きた情報から自分をバージョンアップさせることが必要です。
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