育つ企業か泥船か:No3を見ればわかる

古城温故知新
彩流
彩流

今日は少し組織のお話。

ただ、歴史とは別。組織論ではよく三国志や織田信長、明治維新など取り入れられますが、身近ではなく逸話も多いので参考になりません。

私の立場から。幸運にも様々な職場を体験、そして多くの人と話、また書籍などを見て回りました。

学生の友達付き合いと違い、社会人になれば、いずれ企業やグループに属することになります。

海外の企業と違い、日本はいまだに「島国根性」という文化が根底に。その中には未だに「男尊女卑」や「年功序列」が残っています。

その企業やグループを上手く運営していくには、まさに適材適所が必要。

ナンバー3とは?それぞれの特徴

タイトルから、今回は#3「ナンバー3」の存在を強調します。

それぞれ1~3の特徴を捉えてみましょう。

・トップ(ナンバー1)

中小企業では創業者や社長になります。口だけではなくしっかり責任を持って様々動かなければなりません。

旗振り役のため、ある意味「余裕」が求められます。何か不祥事が起きた時に、すぐに謝罪に行けば、相手の心象も変わります。

・ナンバー2

実務優先で動く人が向きます。トップに対してブレーキやハンドルの役目、補佐・補助。時に法務・労務など「取り締まる立場」でもあります。

番頭となり、トップ不在でもしっかり運営をこなせる人、そしてトップ程のカリスマ性はないものの「頼りになる存在」「職人気質」といった方が向くでしょう。

・ナンバー3

トップとナンバー2に対して、ナンバー3は外部の経験がある人、新しい提案ができる人が良いです。実務・現場の声を聴くのも大事ですが、様々な外の経験や世の中の流れに対し、業務効率化や簡素化等が活躍の場。

業界の情報収集や、情報拡散などを得意とする「情報技術屋」です。

ただ、ナンバー3はすぐ転職する可能性もあります。良い企業では長く活躍しますが、泥船と判断した際はすぐに動く。ナンバー3が長続きしない企業はその企業自体が危ないと言っても良いでしょう。

ナンバー3に求められるもの

最近は企業運営される方々も年齢が50代から70代になってきました。国民だけでなく、企業も少子高齢化が進んでいるようです。

若がえりや後継者を育てる為にもナンバー3を活躍させましょう。

人的資質

トップとナンバー2は同世代の企業さんが多いです。共同立ち上げ人だったり、若い頃からの付き合いだったり。家族並みの付き合いをしている企業さんもいます。

それに対し、ナンバー3は一回り下(10歳くらい下)の世代が良いでしょう。

一番の理由は「違う視点の導入」です。10~12年の一回り下であれば、成長と共に見てきた物が違っています。しかしながら、子供のように次世代ほど違っているわけではありません。トップやナンバー2が理解できる方策を提供できます。

また、人的資質として「中途採用者」という事もあげられます。幾つか企業を見て回ってきた方が、中途採用者は他の企業の工夫や内情を経験として知っています。

活躍の場を提供すれば、違った視点で組織を良い方向に若返らせ回せるでしょう。

仕事環境

ナンバー3は新しい情報に触れさせて価値を発揮します。学会での発表や情報収集はナンバー3に託し、出張などを積極的に参加させましょう。

また、顔を広くしておくのも大事な要素。学会やシンポジウム、大学説明会など、トップがしゃしゃり出ていく所もありますが、相手の事を考えていません。

情報収集・情報拡散はナンバー3に任せましょう。そしてナンバー3の紹介でトップと話す、という流れができれば相手にとっても「ありがたみ」が増します。

企業に何か問題が起きた時、それも相手に何かしらの損害を与えてしまった際、現場責任者が「トップは出張中で」となれば、問題を大きくとらえてないと思われがち。すぐにトップが謝罪や対応策がとれます。それと同時にナンバー2が実務的にフォローできます。トップはすぐに動ける状態にしておく必要があり、長期長距離出張は避けましょう。

対して、ナンバー3は長期長距離出張を積極的に行い、見聞を広げる必要があります。長距離であれば考える時間、報告書をまとめる時間を与えることもできます。

将来ビジョン

後継者はナンバー2ですか?という質問を以前いただきました。中小企業で、自分の子供を後継者にしたい、という際はどのように考えるでしょうか。

後継者はここでいえばナンバー3かナンバー4です。私が聞かれた際は「ナンバー4」と言います。

後継者が決まっている場合、まずナンバー2になりがち。実力で皆認めればよいですが、古参を扱うのがお互い難しいです。

次にナンバー3に置いた場合、見聞を広げるためにあちこち行動させるのは良いですが、組織への導入という面では難しいです。

そこで、一番は「ナンバー3に後継者のお目付け役」をさせることです。

世代的にはトップとその子供が後継者の場合、ナンバー3は中間に位置します。ちょうど橋渡しができる状態を作ることができます。

ナンバー3を見れば企業がわかる

タイトルと同様になってしまいました。しかしながら、大企業や上場企業と違い、中小企業では特にトップやナンバー2は表に出てきます。彼らは長い事その企業団体に属しています。

たいして、ナンバー3は中途採用。イキイキしていれば人材育成に力を注いでいる企業とわかりますし、ヘトヘトであったり企業に対して良い印象を持っていなければ顔に出てきます。

家族経営でもナンバー3は家族外という事も多い為、ナンバー3がリトマス試験紙になりえます。

会社訪問やカウンセリング、企業サポート・コンサルティング等の際、トップは元気なのは当然としても、ナンバー3に会って話を聞くと、大体その企業の問題点などが浮かび上がることもあります。

これを読んでいる方々も思い当たる所があるのではないでしょうか?

まとめ

組織におけるナンバー3について、組織論の実践的な視点、組織の役割としてのトップ、ナンバー2、ナンバー3の特徴。そしてそのナンバー3に求められる資質。ナンバー3が活躍することで組織が活性化し、将来への展望も見えてきます。ナンバー3はその企業を表していると言っても良いでしょう。

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