就職氷河期世代の真実:支えるだけの世代・報われない努力

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就職氷河期世代:表に出ない苦しみを振り返る

就職氷河期世代──昭和47年から50年生まれのこの世代は、幼少期から「我慢」を強いられ、青春期には競争にさらされ、社会人としては不況の荒波にのまれてきました。ようやく迎えた中年期も、親の介護や職場での板挟みに苦しみ、将来の老後には不安しかありません。それでも周囲からは「努力不足」「甘え」と責められる現実。支える側として搾取され続け、自分たちの支援は期待できない──そんな世代の声なき声に、今こそ耳を傾けるべきではないでしょうか。

昭和47年~昭和50年生まれ:誕生と成長の背景

就職氷河期世代の多くは、昭和47年から昭和50年に生まれました。この時代の背景には、オイルショックという世界的な経済混乱がありました。日本では、団塊ジュニア世代として育ち、「皆に合わせて我慢しろ」という教育が保育園や幼稚園で主流でした。保育園のお遊戯会では、ピンクレディーの振り付けを覚えさせられるなど、時代を象徴する体験が多かったといえます。

小学生時代:高度経済成長期の余波

この世代が小学生の頃は、アイドル全盛期で松田聖子やおニャン子クラブが大流行しました。お兄さんお姉さん世代が青春を謳歌する姿を見て憧れを抱く一方、自分たちは常に大人数の中で競争を強いられ、「みんなと同じ」が求められる環境で成長しました。

中学・高校時代:偏差値教育と校内暴力

中学生から高校生にかけて、社会では女子大生ブームが巻き起こり、自分たちが少しずつ主役になれる期待感が高まりました。しかし、この頃の教育は偏差値至上主義。校内暴力が社会問題となり、カツアゲの被害者にもなりやすい不安定な環境に置かれていました。教師たちも意気消沈し、子どもたちは学校から十分なサポートを受けられない状況でした。

学習塾や予備校(代々木・駿台・河合)などでは、如何に正解を早く導くことができるか?という事に専念。ますます個性を否定する時代です。

文化的には「東京ラブストーリー」に代表されるトレンディードラマが流行。大学に行って社会人になれば、恋人ができて明るい家庭が築けると夢を見せられてきました。

大学生時代:バブル崩壊と受験戦争

大学生になる頃には、センター試験の導入に伴い、受験戦争の厳しさがピークに達しました。「自分のやりたいこと」よりも、「就職に有利な大学選び」「大企業に入れば安泰」といった考え方が主流になり、遊ぶ余裕がない生活を送っていました。この辺りからバブル崩壊が始まり、「正解以外は許されない」という風潮の中で、試行錯誤する余裕すら奪われた世代でした。

残念ながら、マニュアル人間が完成していたため、学校で個性を完全に消されたこの世代。「なんでも聞いて」と上から言われ、本当に聞くと「自分で考えろ」。そして自分で考えると「何で相談しない!」と怒られる世代。

社会人初期:就職氷河期の到来

就職期を迎えた時、この世代はバブル崩壊の直撃を受け、新卒採用がほとんど行われない「就職氷河期」に直面しました。大学の就職率は50%台まで落ち込み、教職や警察などの公務員試験はほぼ不合格。特に女子新卒は就職先がほとんど見つからず、親世代からの「そんな会社、名前書けば入れるだろう」という理解のない言葉が追い打ちをかけました。

他の世代からは「理解されない」「我儘すぎる」といわれる要因でもあります。選ぶどころか求人さえ出ていない状態は今では考えられない酷さでした。

非正規雇用と不安定な労働環境

非正規雇用が促進され、契約更新のために昇給や賞与は望めず、経費削減の名のもとに劣悪な労働条件で働かされました。上司がビジネスクラスで出張する一方で、就職氷河期世代は長距離バス移動が当たり前。成果が出ない場合には「自腹」が求められることもありました。

今では信じられないかもしれませんが、これより上の世代は、仕事が終わって一杯飲んで帰るのが当たり前。接待等も領収書を切ってお土産まで。故、志村けんが酔っ払いのふりをするとき、手に持っているお土産は接待費で計上したお土産ですね。ただ、バブル崩壊後は経費削減で接待も自腹が多くなりました。

中堅サラリーマンとしての板挟み

就職氷河期世代が中堅社員となった頃、新卒採用が復活し、企業には若くて元気な新入社員が増え始めました。しかし、氷河期世代の昇給はほとんどなく、新卒で入った後輩社員と同等、またはそれ以下の給料で働かされる状況が続きました。上司からは「自分たちの若い頃はもっと厳しかった」と精神論を押し付けられ、後輩からは「給料が低いのに何でここまで頑張るのか」と冷たい視線を向けられる板挟み状態に。

加えて、企業はこの世代にリーダーシップを発揮することを求めましたが、氷河期世代は常に「安定」を優先せざるを得なかったため、自らの判断でリスクを取るような教育を受けてきませんでした。この結果、「自分たちが何をしても会社は変わらない」という無力感に陥る人も少なくありませんでした。

はっきり言えば「名前書ければ入れた」という上司には正当な評価をされず、部下からは「パワハラ・セクハラ」と訴えられ、有給を使えるのは正社員のみ。名前だけで非正規労働者に有給が取れることはほぼありませんでした。(現在は取れますが)

リストラ対象への転落

40代を迎える頃、就職氷河期世代の多くが「リストラ」の対象となりました。会社に長く勤めても報われない状況が続く中、企業は氷河期世代を「高コスト・低効率」とみなし、真っ先に退職を促すケースが相次ぎました。希望退職という名の事実上のリストラは、彼らのキャリアや精神に大きな打撃を与えました。

一方で、再就職先を探すにも、氷河期世代は企業から「年齢が高い」「即戦力にならない」と見られ、就職先を見つけるのは困難を極めました。その結果、非正規雇用への転落が多く、生活は一層不安定に。

非正規雇用の拡大と格差の固定化

非正規雇用が広がる中で、就職氷河期世代の多くは安定した正社員の地位を得ることができませんでした。派遣や契約社員として働く人が増え、結婚や出産といったライフイベントを諦めざるを得ない人も多かったのです。

また、非正規雇用では昇給や賞与が期待できないだけでなく、突然の契約終了による失職のリスクもつきまといます。このような環境下で、正社員との格差がますます拡大し、社会における分断が進みました。

増え続ける自殺者

このような不安定な生活が長引く中で、精神的に追い詰められる人が増えました。就職氷河期世代は、バブル崩壊後の不況、非正規雇用の増加、そしてリストラなど、人生のあらゆる段階で「頑張っても報われない」状況に直面し続けてきました。特に男性は、収入や地位が低いことを理由に家庭を持つことを諦めるケースも多く、孤立感を深めていきました。

こうした中、精神的なケアを受けられず、自ら命を絶つ人も増加しました。特に、会社からリストラされて再就職に失敗した人や、派遣切りに遭い生活基盤を失った人々が自殺者の大部分を占める結果となりました。

親の介護に追われる「支える世代」

現在50歳前半となる就職氷河期世代は、親の介護を担う責任が増えています。親世代は高度経済成長期に安定した生活を送り、比較的手厚い年金や社会保障を受け取っていることが多いため、介護にかかる費用や時間的負担の多くは子どもである氷河期世代に押し付けられてきました。

しかし、彼ら自身は非正規雇用や低賃金労働を強いられてきたため、経済的にも精神的にも余裕がありません。フルタイムで働きながら介護をする「介護離職予備軍」として疲弊し、限界を感じる人も少なくありません。

自分たちには誰も介護してくれない未来

親の介護を終えたとき、ふと自分たちの老後を想像すると、そこにはさらなる不安が待っています。子どもを持たない選択をせざるを得なかった人も多く、持ったとしても十分な教育や支援を与えられない環境で育てた結果、介護を担ってくれる存在がいないことが明らかです。

「親の面倒を見たのに、自分には誰も面倒を見てくれない」という感覚は、この世代にとって深い孤独感を生み出しています。周囲の人に相談しても、「それは自己責任」「甘えだ」と冷たくあしらわれることが多く、社会から孤立する人も増えています。

年金・社会保障の不安

就職氷河期世代が老後を迎える頃には、現在の年金制度や社会保障が大きく縮小される可能性が高いとされています。この世代は、親世代の高齢者を支えるために高い年金保険料や税金を納めてきましたが、自分たちが支援を受ける時期には制度が持続しないことがほぼ確実です。

「払った分は戻ってこない」という漠然とした不安が、さらに世代間の不平等感を助長しています。一部の氷河期世代の間では、「自分たちが社会を支えたのに、見返りがない」という不満が鬱積しており、それが無力感や自己否定感に繋がるケースも多いです。

ありえない冗談としての可能性ですが、私たちが年金をもらう頃には「年金」というお金ではなく「お餅」が配られるかもしれませんね。

他世代からの「甘え」の視線

他の世代から、「氷河期世代は自己責任だ」「努力すれば状況を変えられたはず」という批判を受けることも、彼らの苦しみを一層深めています。特に、団塊世代やバブル世代からは「自分たちはもっと苦労した」という精神論を押し付けられることが多く、社会全体で氷河期世代の苦境が共有されることは少ないのが現実です。

上の人たちが食い荒らしたお会計をし、そして次世代にはテーブルを綺麗にするようクレームを受ける

このタイトルをみて、笑える人は氷河期世代ではありません。この就職氷河期世代は「就職」だけにフォーカスされていますが、一生を通して「主人公に成れなかった」世代です。

就職氷河期世代の苦悩に迫る──親の介護や職場での板挟み、将来の年金や老後への不安。努力が報われず「甘え」と批判され続けた世代の声なき叫びと、支えなき未来にどう向き合うべきかを再度、全ての世代で考えてはいかがでしょうか

 

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