教えているとき、なかなかうまく訂正させられない
誤ったところを明確に訂正させる方法と、暗示的に示す方法(リキャスト)があります。どちらもバランスよく活用しましょう
間違いを訂正する時「リキャスト」の活用
学習者、新入社員が勉強会等の説明の際に、間違って説明してしまう事があります。
はっきりと「そこ違うよ」という場合と、さりげなく正しい情報を伝える方法の2種類があり、どちらも技術が必要になります。
リキャストは学習者が間違えたときのフィードバックの一つ、暗示的に示す方法です。
ここではまず、暗示的に示す方法を先に説明します。
暗示的フィードバック:リキャスト活用
この薬はH1拮抗薬で、主に胃酸を抑えます。
胃酸を抑えるH2拮抗薬は他にどんなものがありますか?
勉強会など、発表者に「あれ?」と思わせることが目的になります。緊張して言い間違えた場合もあります。
また、この問答を聞いている人も訂正されたことがわかれば、場を壊さずに研修会などの進行ができます。
更に、勉強会参加者のれべるによって、どこが誤っているかがわからない場合にも、調べさせる「きっかけ」になります。
明示的フィードバック
言い方によっては、相手の発表自体を訂正したと思われてしまうこともあるので、注意しましょう。
また、訂正した箇所によっては、本来学習をしようとした所以外で時間とエネルギーをとってしまう恐れもあります。
フィードバック それぞれの注意点
相手の発表発言の訂正方法。明示的でも暗示的でも、どちらも一長一短です。
発表者の否定ではなく、発表者の発言内容の訂正というようにしなければなりません。
リキャスト
相手に気が付かせるには良い方法ですが、その訂正に相手が気が付かないこともあります。
残念ですが、気が付かない時は明示的に指摘しましょう。
暗示的に説明するので、どうしてもどこが間違えているか不明確な場合が出てきます。
更に、リキャストは何度もやると参加者に「イヤミ」としてとらえられがち。
効果はあるのですが、使い過ぎないようにしましょう。
明示的訂正
はっきりと間違えた個所を指摘する方法。
緊急性が高い、お客様(職場以外)に説明させるときなどは、即座に訂正が必要。その際は間違いなく明示的訂正です。
上にも書きましたが、明示的訂正は、学びたい事とは違う所に注力してしまう可能背があり、時として時間とエネルギーを消耗してしまいます。
訂正ばかりされると、他の参加者から発表者への評価を下げてしまう事にもつながります。
訂正された発表者も、自分自身が否定された、と勘違いすることもあるので注意が必要です。
バランスよく
学習者、新人を教えるにあたって、エネルギーを使う作業の一つがこのフィードバック、誤りを訂正するところです。
同じ手法を何度も使うのではなく、暗示的に訂正し、それでも通じなければ明示的に指摘しましょう。
自らもアップデート
指導者、教育担当者も気をつけなければならないのは、学習者の方が正しい場合がある事です。
彼らは先日まで学校などで最新の情報に触れてきています。
指導教育担当者の情報の方が、時代遅れで誤っていることがあるので、私たち自身も日々情報と研修を行わなければなりません。
私自身も、学習者が持ってきた最新の教科書にて自分の知識がすでに時代遅れだったという経験を幾度もしています。
共に学ぶ姿勢
社内研修会などの場合は、情報の出どころをコピーや添付文書などを持ってこさせたり、事前や事後にメールに添付したりしています。
これは、確認も含めてですが、情報によっては信用度の低い資料を参考にした場合もあるからです。
ときにトンデモ情報やテレビのワイドショーを研修会に資料として持ってくるときもあります。
調べさせるのも大事ですが、教育指導担当者自身も調べることが大切です。
新人相手を訂正するのが仕事ではなく、共に勉強し励まし合うようにすると、お互いのモチベーションが維持、上昇させられます。
まとめ
今回は社内研修会などでの誤りの訂正について書きました。暗示的にフィードバックするリキャスト、その後で明示的に指摘するようにしましょう。また、その情報が何処から出たのかをお互いに探るためにも指導担当者も学ぶ姿勢が必要です。
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