酒は百薬の長!大人なんだから飲むぞ!
酒は百薬の長、されど万病の元、とも言われます。
酒は百薬の長?
皆さんがよく知っている言葉「酒は百薬の長」。確かにお酒を飲むと、気分がよくなり、リラックス、コミュニケーションがとりやすくなることもあります。今回はこの言葉を掘り下げてみましょう。
由来:故事成語ではない?
有史以来、人類と共にあったとされる酒。洋の東西を問わず、飲酒の習慣やお祝い事での乾杯、そして健康問題・社会問題としての飲酒。
歴史を紐解くと、華佗や張仲景などの医学者が発した言葉ではありません。この発言の記録は中国「新」という国を作った王莽(オウモウ)によるもの。何か物語があった「故事成語」ではないようです。
「新の王莽」、あまり聞いたことが無いかもしれませんが、「キングダム」の秦の始皇帝後、「項羽と劉邦」が終わる時にできる「前漢」、そして三国志で幕を閉じる「後漢」。ちょうどこの間、「前漢」と「後漢」の間に「新」という国があります。
出典は漢の時代に書かれた「漢書」、食貨志です。国を作った王莽は、国の専売制を定めるときに「塩・酒・鉄」を制限したそうです。この王莽、様々な政策などが朝令暮改のようで、最終的には部下に殺されるほどだったそうです。
専売制を決める際にかならず出てくるのが利益。税収等を考えれば、酒に税金をかけ税収を上げるようにするキャンペーンだった可能性が高いです。決して健康の為ではないようですね。
日本では「徒然草」
おなじみ徒然草の兼好法師。彼は「酒は百薬の長といえど、万病のもと」と言う言葉を残しています。
ただ、残念なことに、日本の酒飲みさん達は前半の「酒は百薬の長」だけを連呼して、酒を飲むことを正当化しているのが現状です。日本の吉田兼好の言葉をもっと信じ広めましょう!
また、本来であれば、百薬などといわず薬を飲まなくても良い健康状態にすることが理想です。
お酒の上手な付き合い方
お酒は「嗜好品」です。飲みすぎては健康を害するだけでなく、社会問題にまで発展します。多くの国で「アルコール依存症」の問題を抱えており、国や宗教によってはアルコールを禁止している所もあります。
とはいえ、生活の一つ。養命酒等は20mlが一回分。寝る前に温めて飲むのがオススメ。これ位が適量の方も多いです。
適量は人それぞれ
肝機能の関係で、適量!という定義は難しいです。美味しく味わって飲める量が適量、という表現が良いでしょうか。また、アルコールの解毒・消化に水を要するため、水を同量飲むことをお勧めします。
飲まなくても良いなら飲まない、というのが良いです。
飲めない人に酒を勧めるのはもってのほか。最近では少なくなりましたが、現代であればパワハラの一つです。
酒は味わって飲む
各地で作られている「地酒」や海外のワインなど、香りや味、風味を味わって飲むのはお勧めです。ただ、酔いが回ってくると、とても味わえる状態ではなくなってしまいます。
折角、杜氏さん達やビール工場の人たち、様々な方々がおいしい酒類を作っているので、美味しく味わって飲みましょう。
未成年は違法
どんなに体に良い、とされていても未成年までの子どもは「違法」です。自分で管理ができない可能性がある未成年。言い換えれば、自分で管理できるのが「大人」です。違法な事を知っていて、いまだにお酒を飲んで車を運転する人が多いのは、大人とは言えないのではないでしょうか。
まとめ
「酒は百薬の長」と言われますが、その後に続く「されど万病の元」と言う言葉が抜けています。美味しく味わって飲むお酒はお勧めですが、味わえるのは酔いが回る前。お酒による良い面もありますが、健康や社会に悪影響もあります。うまく付き合っていけるのが大人です。
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