論語から：学べば則ち固ならず

1. 論語とは

論語（ろんご）は、孔子の弟子である弟子たちとの対話や言行録をまとめた古代中国の儒教の典籍です。紀元前5世紀に孔子の弟子たちによって編纂され、後にその思想が儒教の根本となりました。論語には孔子の教えや弟子たちとの対話が豊富に含まれており、それを通じて人間の道徳や倫理に関する深い教訓が伝えられています。

2. 「学べば則ち固ならず」の意味

論語の中で、「学べば則ち固ならず（學而時習之、不亦說乎）」という言葉は、「学ぶことで、固定観念にしばられないようになる」となります。

この言葉は、知識や学び取ったことがただ頭に蓄積されるだけではなく、実践や継続的な復習を通じて初めて真に固いもの（固定観念や既存の価値観）から解放されるという教訓を含んでいます。

孔子は学びの過程を強調し、それが理解や実践を通じて深まることを教えています。この言葉は、単なる知識の蓄積だけではなく、その知識を実際の生活や行動に結びつけ、継続的な学びのプロセスを重視しています。

3. 現代社会の問題点：学んでいない人が多い

現代社会において、「学べば則ち固ならず」の教訓が特に重要となっています。技術の進化や情報の急速な増加により、知識の更新が迅速に求められる中で、学び続けることがますます重要視されています。しかし、現実には学習意欲の低下や学び続ける習慣の欠如が見受けられます。

多くの人々は社会や仕事の要請に忙殺され、日々の生活に追われる中で学びの時間を確保することが難しくなっています。また、一度学んだことが忘れ去られやすい状況も発生しています。これは、「学べば則ち固ならず」の教訓が言うように、学びを継続的に復習し、実践に結びつけることが怠られているためと言えるでしょう。

　そして今でも残る肌の色や学歴社会も一つの例と言えます。
この問題の影響は個人だけでなく、社会全体にも及んでいます。技術や社会構造の変化が激しい現代において、柔軟性や適応力を備え、学び続けることが求められる時代において、学びの停滞は個人の成長や社会の進展を阻害する可能性があります。

「学べば則ち固ならず」の教訓を心に留め、日常生活においても学びの習慣を大切にすることが、個人の豊かな人間性の形成や社会の持続的な発展に資するでしょう。