――AIは魔法じゃない。でも、確実に時間は返ってくる
前回の記事では、50代から日本語教師を始めるならAIを味方につけることをおすすめしました。
とはいえ、「AIを使うと便利です」と言われても、具体的にどれくらい便利なのか、正直ピンとこない人も多いと思います。
そこで今回は、私自身が実際にどれくらい時間を削減できたのかを、具体的な数字とともに書いてみます。
「AIってすごい」で終わる記事ではなく、「自分の仕事の中にも、AIに任せられる作業があるかもしれない」と思ってもらえたら嬉しいです。
第1章 AIを使う前は、意外と時間を使っていた
日本語教師の仕事というと、レッスンをしている時間がすべてだと思われがちです。ですが実際には、授業以外にも細かい作業が積み重なっています。
- 授業準備、教材作成
- 宿題の作成
- 学習者とのメールのやり取り
- 英語やその他の言語でのメッセージの翻訳
- プロフィールや自己紹介文の見直し
こうした授業前後の細かい作業が積み重なることで、思っている以上に時間と体力を使っていました。これは私個人の実感であって、50代全員がそうだというわけではありませんが、少なくとも私自身は、授業そのものよりも、授業の前後にある細かい作業の積み重ねで疲れていくタイプだと感じています。
この「授業以外の時間」を、AIを使ってどう変えてきたか。ここから具体的にお話しします。
第2章 メール返信・翻訳・迷惑メールの判断 ── 約2時間 → 約15分
まず一番効果を実感しているのが、メール関連の作業です。
以前は、
- メールを読む
- 内容を理解する
- 英文などを翻訳する
- 返信内容を考える
- 文章を作る
- 最後に確認する
という一連の流れに、まとめて対応すると約2時間ほどかかっていました。
これをAIに補助してもらうようになってから、同じ作業が約15分程度でできるようになりました。メールの内容を理解する部分や翻訳、返信文の下書き作成をAIに手伝ってもらい、最終的な文面や、送るかどうかの判断は自分で行っています。
迷惑メールかどうかの判断についても、AIに聞くことはありますが、「AIが迷惑メールだと言ったから、確認せずにそのまま削除する」ということはしていません。あくまでAIの意見を一つの判断材料として使い、最終的な判断は自分で下すようにしています。これは、AIに限らず、仕事の連絡を扱ううえで大事にしている姿勢です。
第3章 自己紹介文を「別の目」で見てもらう ── 約1時間 → 約10分
これは少し意外なAIの使い方かもしれません。
自分のプロフィールや自己紹介文を書くとき、私は文章そのものを一からAIに作らせるのではなく、「もう一人の自分」「別の視点を持つ編集者」のような感覚でAIを使っています。
具体的には、自分で書いた自己紹介文を見せて、
- 初めて読む人にきちんと伝わるか
- 自分の強みが伝わる書き方になっているか
- 説明が長すぎたり、分かりにくくなっていないか
といった視点でチェックしてもらっています。
以前は、こうした見直しに約1時間ほどかけていましたが、今は約10分程度で終わるようになりました。ただし、AIが「正解」を教えてくれるわけではありません。AIが指摘してくれた視点をもとに、最終的にどう直すかを判断し、修正しているのは自分自身です。自分では気づきにくい客観的な視点を、短時間で得られるようになった、というのが実感に近い言い方だと思います。
第4章 練習問題・宿題を作る ── 約1時間 → 約10分
これは日本語教師としての仕事に、一番直接関わる部分です。
「このレベルの学習者向けに、こんな内容の練習問題を作ってほしい」 「今日の授業内容に合わせて、宿題を作ってほしい」
といった形でAIに依頼すると、ゼロから問題を考える負担がかなり減ります。以前は1時間ほどかかっていた練習問題や宿題の作成が、今は約10分程度で済むようになりました。
ただし、これは「AIが10分で完成品を作ってくれる」という意味ではありません。AIに作ってもらったものはあくまでたたき台で、そこから自分で内容を確認し、必要な部分を修正するところまで含めて、全体で約10分ということです。この最後の確認作業を省略すると、思わぬ問題が起きます。それが次の章の話です。
第5章 AIは間違える。それでも使う価値がある
前回の記事でも触れましたが、AIは決して完璧ではありません。
実際に私が経験した例では、
- 正しい答えが2つ存在してしまっている問題
- 選択肢問題の答えが、すべて「1番」になってしまっている問題
といったミスがありました。AIを使ううえで一番危険なのは、「便利だから」という理由で、出てきたものをそのまま信用してしまうことだと思っています。
私は、AIのことを「作業を代わりにやってくれる人」というよりも、「高速で下準備をしてくれるアシスタント」くらいに考えるようにしています。下準備のスピードは圧倒的に速くなりましたが、最終的にそれを使うかどうか、どう直すかを判断するのは、あくまで自分自身です。この考え方は、今回紹介したどの作業にも共通しています。
第6章 50代だからこそAIを使う意味がある
「50代だからAIは難しそう」と思う人もいるかもしれません。ですが私自身は、むしろ逆だと感じています。
50代になってから、私は自分の時間や体力の使い方を、以前よりも意識するようになりました。若い頃なら気にせずこなせていた細かい作業も、積み重なると意外と負担になる。だからこそ、「自分がやらなくてもいい作業は、できる限りAIに任せる」という考え方には、大きな意味があると感じています。
これは年齢による能力の低下を語りたいわけではなく、あくまで私個人が、50代になって時間の使い方に対する意識が変わった、という経験の話です。
第7章 AIで「時間を売る仕事」を少し変えられる
日本語教師という仕事は、基本的には「授業時間 × 単価」という形で成り立っています。
ただ、授業以外の作業にAIを使うことで、授業準備や事務作業に使っていた時間を減らすことができます。つまり、同じ時間の中で、これまでよりも多くのことができるようになる、ということです。
さらに、AIを使って作った教材や、そこで得た経験を積み重ねていけば、note、Kindle、教材、講座といった形で、「時間を切り売りする働き方」から少しずつ離れていける可能性もあると考えています。
ただし、これがすぐに収益になるという話ではありません。私自身も、まだその途中にいます。
まとめ
最後に、今回紹介した時間短縮を、もう一度簡単にまとめておきます。
- メール・翻訳・迷惑メール判断:約2時間 → 約15分
- 自己紹介文の修正:約1時間 → 約10分
- 練習問題・宿題の作成:約1時間 → 約10分
これは、「AIに仕事を奪われる」という話ではなく、「AIに仕事を手伝ってもらう」という話です。
いきなりAIを使いこなす必要はありません。まず、自分の仕事の中で一番時間がかかっている小さな作業を一つ、AIに相談してみる。それだけでも、十分な一歩になると思います。






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