毎回同じお薬。何を説明したらいいのかしら?
変化に敏感になることが必要です。
同じお薬でもちゃんと相手を観ているかどうかが試されます。
お薬は同じ?お薬しか見ていない?
毎度くる患者さんやその家族。数年同じお薬が出ている事も良くあります。そうすると、お薬の説明が行き詰ってしまう、と言うのは誰でも経験があるのではないでしょうか?
今回は薬局薬剤師向けの記事で書かせていただきます。
日々の変化に敏感に
毎回同じ、血圧などの変化もない場合などは、薬の説明も新しいことは無い、となってしまいます。
ただし、これは薬だけしか見ていないのではないでしょうか?
時々、患者さんの顔を全く見ないで薬の説明だけしている薬剤師を見かけます。来局者が本人なのか家族なのかも確認せずにお薬を渡しているのはもってのほか。
最近では薬の説明だけであれば、ネットの方が詳しく掲載されています。
では、薬剤師として何ができるのでしょうか?
ネットとの差別化にもつながる薬剤師
ネットの情報は玉石混交。同じことを薬剤師が説明しても、価値が生まれません。価値を生み出す薬剤師としては、やはりその人に合ったお薬の情報や、安心感、異常はどういう時でその異常時の連絡先などを説明する必要があります。
患者さんに合った説明
仮に、長年、血圧の薬だけが処方されている場合を考えてみます。
処方箋を受け取る、薬を取りに来る、と言うだけで
神経質な方、年齢、来局者は本人か配偶者・他家族か?などの外見
顔色、声の速さ・トーンやスピード、歩き方などの所見
等の情報が得られます。
また保険証が運送業やタクシー会社だったらどうでしょう?医療・介護業界であれば?
など、処方箋の薬以外にも情報は多く得られます。
その情報を指導に反映していきましょう。
外的要因も加味
その他にも、様々な要因が考えられます。
春の花粉症薬との併用。保険点数の変更。
夏の脱水。熱中症。OS-1飲んで大丈夫?
秋になれば食事の塩分が増える。
冬は運動不足。年末年始の会食増。
感染症が増えてくれば、その予防策などの提案・指導も薬剤師の仕事です。
常連さんへのコミュニケーション向上の秘訣
毎月毎週のように来てくださる患者さんやその家族さん。
その薬局や薬剤師さん、スタッフさんを信頼してきていただいてます。
声かけ・挨拶が第一
一概には言えませんが、毎回来ていただいている場合は、処方箋をもらう前に名前を使って挨拶すると良いでしょう。
もちろん名前を呼ばれるのを嫌がる方もいらっしゃいます。科によっては呼ばない方が良い時もあります。
髪型やバッグを褒める
男性従業員は比較的苦手なことが多いのですが、その分、できると評価が上がります。
髪型が前回と違う時に「季節に合って、さっぱりされましたね~」と一言添えると、「ちゃんと見てくれているんだな~」という事につながります。
バッグもブランドバッグを褒めるのではなく、バッグについているアクセサリーや手作りなどを褒めるように。ブランドは指摘しない方が良いです(これは私も以前大失敗したことがあります)。
男女問わず、髪型やバッグを変えるのを家族以外から言われるのは少ないので、効果的です。
伝えたことは必ず記録
髪型や持ち物を褒めた際、次回も同じこと言うと「なんだ、他の人にも言っているのか」と落胆されてしまいます。
伝えたことは薬歴に記録しておくと良いでしょう。O:の欄に「髪型変えた」と書くだけで、きちんと見ていることもわかりますし、次回の投薬の際、短時間であれば髪型には触れずに別の事を伝えることができます。
前回顔色が悪くて、今回は良くなったとしたら「前回は少しお疲れ気味でしたが、落ち着きましたか?」と声かけることもできます。
相手を観察することは、漢方・東洋医療の基本にもなりますので、意識して練習しましょう。
まとめ
マンネリ化してしまう常連さんの投薬。外的要因の季節や流行・内的要因の顔色や歩き方などを加味してお薬の説明に繋げましょう。また、髪型や持ち物の変化にも敏感になることが頼られる薬剤師の要因にもなります。漢方指導などにもつながるので意識して練習しましょう。
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