新人教育 投薬のコツ:プラスアルファ(+α)とマイナスベータ(-β)

教室薬局新人教育

患者さんへの声掛け、投薬がマンネリになりがち。

薬歴も同じことしか書けないのですが…

彩流
彩流

その患者さんにあわせて説明。全部言いたくなりますが、

何をプラスして何をマイナスにするか。

それを記録します。

投薬、お薬説明のコツ

新人教育も3か月から6カ月になってくると、徐々に仕事を任せられるようになってきます。

新人さんの方は、任せられた仕事、特にこの時期は、投薬や薬歴記入がマンネリ化してきます。

指導のポイントは薬の説明だけではなく、相手に合わせた説明をしましょう。

まずはプラスアルファ(+α)

新人、新入社員のうちは、薬の説明するだけで精一杯です。薬の知識はありますが、患者さんの求めている説明からほど遠い時が多いです。

何を一番伝えたいか?という事に重点を置かなければなりません。そこを最後に持ってきます。

お変わりないですか?今日のお薬はいつも通りですね。

お大事にどうぞ

相手はもしかしたら急いでいるかもしれません。
後ろで遊んでいる子供に気を取られているかもしれません。
または、新しいサプリメントを始めたのかもしれません。

さて、この場合、患者さんは何を覚えているでしょう?

いつも通りだった。

という事でしょう。

ここで、同じことでも

お変わりないですか?

今日のお薬はいつも通りですね。

お大事にどうぞ。

あ、ご飯は美味しく食べられていますか?

胃腸不具合について聞いています。最後に持ってくることで、相手はもう終わりと思い、更に気が抜けているので「美味しく食べてますよ」「最近食欲無くて…」など、答えやすい質問です。

食事の事、食欲のことを聞かれた。

確かに少し食欲落ちてるかもしれない。

次の時、少し話してみようかしら

お大事にどうぞ、終わりを表す言葉です。返事に困る言葉ですが、その後のプラスアルファは心に残りやすいうえ、雑談も受け入れてくれる様に感じさせることができます。

マイナスベータ(-β)

色々勉強してくると、説明したくなるのが人間。

とくに、こちらが勉強したばかりの事を聞かれたりすると、得意になって相手の求めること以上に話してしまいます。

投薬を開始する際に、ある程度何を説明するかを考えると思いますが、話が始まってしまうと、その予定通りにいかないものです。

話したかった事で、話せなかった、説明をあえて削った、という事がマイナスベータ(-β)。

すべて話しても患者さんはすべて覚えられないうえ、ただ返事をしているだけ、という事はよくあります。

敢えて次回に説明することで、薬局にとっても患者さんにとっても「宿題」ということができます。

何を話したか、話していないかをすぐにメモ、そして薬歴へ

上に書いたように、プラスアルファ、マイナスベータをメモして置きます。

多くの薬局ではSOAP薬歴を採用していると思いますので、そのメモを薬歴記入の際に活用します。

まずはO:に記入

食欲異常なしや、処方変更などはOの欄に記入します。

客観的な変化や聞き取りについて記入するO欄(Object)。外気温や気候変化などもここに書きます。

台風が来た、大雪の中での来局、感染症や予防注射履歴等もこの欄に記入すること。

ここでの記入がのちのA欄やP欄につながっていきます。

P:Planに記入

基本は、プラスアルファ、マイナスベータはSOAPのO:Objectにあてはまります。

ただし、なにか指導したことがあれば、Pの欄に記入しましょう。食欲異常ないかを引き続き確認するのも一つです。

また、せっかくマイナスベータをめもしたので、次の投薬の際に活用できるよう、「次回(-β)を説明」と書いておくと、引継ぎになります。

薬歴は前回から今回、そして次回へ続いているか、というのは質の高い薬歴への必要条件です。

まとめ

今回は投薬の際の説明について、何を伝えたいか、マイナスにするのは何か、という事についてです。患者さんは多くの事を覚えられません。最後に一言伝える事で気に留めてくださいます。色々話したいことはありますが臨機応変に説明し、プラスアルファとマイナスベータを素早くメモ。そして薬歴に転記しましょう。

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