音の響きが良い「天網恢恢疎にして漏らさず」。
日々の生活や行動にも関わってきます。
天網恢恢疎にして漏らさずの由来・意味
普段見慣れない難しい四文字熟語「てんもうかいかい」、そして「そにしてもらさず」。
老子の言葉からです。中国の春秋戦国時代の人で、「無為自然」の考えに立った人。儒教を否定し、後の道教に強い影響をした人物。
ただ、謎なところが多く、後に伝わる「老子」は、幾人かが編纂したとも言われています。
意味
天網恢恢疎にして漏らさず。
この言葉は、『天の網は荒く見えても、悪人はしっかり捕まえる』と言う意味です。
悪い事は、必ず罰が下る。普段からの行いに気をつけなさい、という教えです。
ただ、この言葉は、日本語を教えていると、言葉のリズムが良くm音とk音の練習にもなります。
似た意味の言葉に
天知る地知る人知る
因果応報(ネガティブなイメージとして)
普段生活している人が、急に悪事を行うと、顔や行動にその不安や後ろめたさが表れてしまいます。
他の老子の言葉
老子と言えば、いくつもの名言が残されています。以前紹介した「千里の道も一歩より」も老子の言葉です。
上善如水:水は善く善く万物を利して争わず。
取らんと欲する者はまず与えよ
天の道は利して害せず、聖人の道は為して争わず。
等々。他にも様々です。
二千年以上にわたり、人々の生活や考え方、指針になる名言を残されている老子。これからも語り継がれるでしょう。
天網恢恢疎にして漏らさず:現代社会の問題点
悪事をなす者は、その時は良いかもしれないが、天は抜け目なく、必ず罰を与える。
誰も見ていなくても、善の道を進みなさい。
法の問題
国や政治家のスキャンダル、法律的には罰せられない、という言葉をよく聞きます。
「権力・権利」と「義務」は表裏一体。
力があれば、それをコントロールする必要もあります。自分や自分の縁故にしている一部の人間が潤うような事案を採決するのは許されません。
悪い事をしている、という認識が無いのも問題です。
認識を広げるには様々な立場の人の話を聞くだけでなく、その立場に自分自身が立つ必要があります。
しかしながら、法の問題として、法を誰が作るか?ということ。逃げ道を「例外・除外」として作っているのも法を作っている人たちです。
考え方の問題
人間、誰でも自分が正しいと思いがちです。間違いを指摘されると、怒りまくる人もいるほど。
老子を読んでいる諸兄にはいないと思いますが、相手の考えを認めない、という環境で育ってしまう方も多いです。
考え方など、一人一人の顔が違うように、考え方も千差万別。
昨日まで正しいことが、今日は悪い事になることもあります。
「今までの俺の考えでいいんだ!」と思って行動していると、天網恢恢疎にして漏らさず。天罰が下ります。
他の国の人たちにも言えることです。この国では当たり前でも、他の国にしてみれば犯罪なこともあります。
まとめ
老子の言葉「天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかい・そにしてもらさず)」。天の網は粗いように見えて、実際は漏れがない、と言う意味。何か悪事を行うと、必ず罰を受けることになる、ということです。時代の変化が激しい昨今、善悪まで変わることがあります。時代や価値観の変化について行く必要もあります。
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